トリにもリュウマチあるのかな・・・「カンムリカイツブリ」

カンムリカイツブリ」は、日本で見られるカイツブリ類の中では56㎝という最大種で、多くは冬鳥として海外から渡来します。
 特徴となっている長い首を真っ直ぐに立てていることが多いので、として目立ちます。オス・メス同じデザインで、背中は黒褐色、首の前面と腹は白ですが、夏には登頂に黒い冠毛が生え、頬から後頭にかけても黒縁の飾羽を付けますから、いっそう颯爽として見えます。
 どういうわけか、冬の装いから夏の装いに移行する時期が個体によって大きな差があることは注目されているようで、1月にすでに夏服に着替えてしまっているのもあれば、5月になっても未だ冬の衣装でいる個体もあるということです。 “トリにもリュウマチあるのかな・・・「カンムリカイツブリ」” の続きを読む

オスの勾玉 メスの翡翠 「コガモ」

 「コガモ」は、日本で見られるカモ類では最も小型で体長38㎝ほど。ドバトよりいくらか大きいかといったサイズです。
 秋も早くに中國東北部やシベリアから渡来しますが、そのときはオス・メスともに同じような地味系の装いをしていて、見分けは難しいのです。
 海の向こうの繁殖地では、派手な色味は天敵などに巣を見付けられ易いので避けており、日本に来て越冬する間に、オスはカラフルに変わってゆくのです。なるべく早く、次の繁殖のために良い伴侶が得られるようにするためです。先ずはオスに挨拶してもらいます。 “オスの勾玉 メスの翡翠 「コガモ」” の続きを読む

ヒトの営みに慣れて・・・賀すべきか 弔すべきか 「オオタカ」

 「猛禽類」といえば「ワシ」と「タカ」が代表となりますが、ワシとタカとの違いは一口に云って、その大きさに依っています。
 「イヌワシ」「オオワシ」「オジロワシ」などは翼羽幅が2mを超えることが多く、名前を聞いただけで畏怖を覚えるほどですが、「ワシ」という言葉には、空の王者にふさわしいおおぶりな響きがあります。それに対し、「タカ」と聞いた方が、機敏俊敏精悍、といった印象を強く受けます。
 さて、日本では代表的なタカが「オオタカ」で、背中と翼の上面が黒灰色であることから「蒼鷹(あおたか)」、それが転じて「オオタカ」となったものです。オスの体長は50㎝、メスが60㎝と、メスの方が大きく、ともに俊敏で飛翔能力は高く、急降下時には優に時速100㎞を超え、空中でハトやカラスやヒヨドリを捕えるという能力を備えています。 “ヒトの営みに慣れて・・・賀すべきか 弔すべきか 「オオタカ」” の続きを読む

河川敷が溢れたときはどうするの・・・「キジ」

 ご存知のように、「キジ」は日本の固有種で、国鳥に指定されています。
 昔から屏風や掛軸に好んで描かれていますから、その絢爛とした彩りもおなじみでありましょう。それにしても、カメラというものの無かった時代に、絵描きたちは対象の一瞬を良く捉えていたこと!昔の人の絵を見るたびに感じいります。

傾いたアカシアの林

 春から初夏にかけて、多摩川の河川敷でも「ケーン ケーン」というオスの鳴き声がけっこう聞かれます。写真は、増水した時に流されてきた木や草を根元に絡ませて傾きながらも、したたかに花を咲かしているアカシアの明るい林です。 “河川敷が溢れたときはどうするの・・・「キジ」” の続きを読む

認知症になったらどうするのかな 「ツバメ」「イワツバメ」

 「ツバメ」は誰にもなじみのある小鳥です。
 そのスマートさにふさわしい飛翔能力には驚かされます。宮本武蔵のライバルだった佐々木小次郎の秘剣「つばめ返し」は、ツバメが華麗俊敏に身をひるがえす有り様にあやかって名付けられたものでしょう。
カルガモの上を飛ぶツバメです。

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「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅰ 「ダイサギ」編

 初夏を迎えると、多摩川にも「アユ」の遡上が始まり、それも、今年は45万匹にも達すると推測されているそうです。
 アユは水鳥たちにとってもご馳走ですから、この時期には「ダイサギ」「アオサギ」「ウ」「コサギ」たちは躍動します。それに「カラス」たちも、どうにかしてあやかれないものかと躍起になるようです。
 「水鳥たちの宴」は、5月中・下旬から6月上旬にかけての早朝に観たもので、季節が進むにつれてアユも成長するのが分かります。けれど、こんなに間引きされてしまって大丈夫なのでしょうか。
 役者が全部そろって大宴会になることもありますが、Ⅰ〜Ⅵまでに分け、先ずは「ダイサギ」の様子から、個別に見てみます。 “「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅰ 「ダイサギ」編” の続きを読む

「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅱ 「アオサギ」編

 「アオサギ」は大型であるだけに、普段あまり活発で軽快な印象を受けません。けれど、アユの遡上の時期などには、その目付きからして精悍さを増すようです。

集中そしてゲット

 アユは、ところどころに生じる激流をものとせずに上流へ上流へと遡上しますが、きらめいてちらつく、その魚影を捕えようとアオサギが全身で集中する様子には、なるほど鳥類が直結する祖先は恐竜なのだなと納得させられるものがあります。 “「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅱ 「アオサギ」編” の続きを読む

「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅲ 「コサギ」編

コサギ」は名前の通り、ダイサギやアオサギよりも二回りほども小型で、夏には弁髪のように垂れ下がった飾り羽と、黄色の靴下を履いたような足先が目立ちます。動きは軽快です。

浅瀬であちらこちら

 激しい急流に挑むというようなことは苦手なようで、比較的おだやかな浅瀬などで、自分のサイズに会った子魚を機敏に追いまわす姿が印象的です。 “「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅲ 「コサギ」編” の続きを読む

「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅳ 「カワウ」編

カワウ」は、一見では黒っぽいだけで素っ気ない鳥に見えます。けれど、集団行動が良くシンクロナイズされており、飛翔するときは流れるようにきれいな列を作り、川で漁をするときも、誰が掛け声をかけているのだろうと思われるほどに、そろって展開したり集合したりして、気持ちが良いものです。 “「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅳ 「カワウ」編” の続きを読む

「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅴ「大宴会」

 6月の早朝。カワウ、ダイサギ、アオサギ、コサギ、それにカラス。役者の揃い踏みのような大宴会を見ました。

カワウ 続々と飛来 集合 整列 待機

 日の出すこし前の多摩川を上空から眺めると、流れのゆったりした個所や淀みは巨大な黒い蛇のようにうねって見え、瀬となって広がっているところは、すでにしらしらと浮き上がって見えることでしょう。
 「今日の朝食をどこでとろう」と誰が狩場を決めるのかは分かりませんが、下流から飛翔してきたカワウの隊列が高度を下げて、少しためらうように旋回を始め、やがて岸近くに着水します。そうしたところには、前もって1・2羽のダイサギやアオサギが目印のように立っていることが多いような気がしますが、カワウたちがそれを指標のように利用しているのかどうかは分かりません。

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