ハチドリのような蛾 「ホウジャク」

チョウはヒラヒラ トンボはスイスイ?

 蝶は「ヒラヒラ飛ぶ」といわれ、トンボは「スイスイ飛ぶ」といわれます。たしかに「アゲハチョウ科」を代表として、チョウの多くはひらひらと飛びます。
 が、どこにも変わり者は居るもので、ヒラヒラどころか「ブンブン」と飛ぶチョウも居ります。例えば「セセリチョウ」は、頭大きく、胴太く、ずんぐりしています。羽ばたきも速く、ブンブンにふさわしく素早く飛行します。
 ヒラヒラ派の代表として「キアゲハ」に、ブンブン派の代表として「イチモンジセセリ」に登場してもらって写真を見てください。対照的な特徴が一目瞭然です。 “ハチドリのような蛾 「ホウジャク」” の続きを読む

戻ってきた失せ物 Ⅴ きわめつけ

朝まだきの多摩川で

 10月初旬の日の出は5時40分前後である。
 その日も、私は朝まだきに家を出て5時少し前には多摩川中流の右岸に立っていた。頭の上には星々が見え、とりわけ「明けの明星」がまたたいており、それらを望遠レンズのターゲットに捉える練習をすることができた。時にはシャッターボタンを押したが、かすかな光を写真にするのに必要な2秒間ほども手持ちの望遠レンズを固定しておけるはずはなく、星はどれも無惨に流れて映った。けれど画像モニターの上では、青い星、赤い星の色合いはむしろ強調されていて、違いを楽しむことができた。
 そうこうしていて東天を振り返ると、少しの間におどろくほどに輝きを増しており、あたりは白んで数匹のコウモリが乱舞をやめようとしている。サギとカワウが下流から上流に移動を始めるのは、5時20分ほどからである。 “戻ってきた失せ物 Ⅴ きわめつけ” の続きを読む