群れて来る鳥・・・「ムクドリ」

 たしかに「ムクドリ」はよく群れます。「群れて来る鳥」が短略されて「ムクドリ」となったとする説が有力なようで、昔から「リャーリャー ギャーギャー ギュルギュル」と騒ぐ人(?)たちのことを「椋鳥」と呼んでうとましがる傾向があります。

 おれ いま群れてない 嫌うの

 クチバシから頭の線がシャープで、頬に銀色の斑が目立つせいか、どことなく金属的な印象を受けます。身近な鳥では、すこし大きめな「ヒヨドリ」と並んで、「たしかに鳥類は恐竜の子孫なんだな」と思わせる野鳥の筆頭でありましょう。ムクドリは、地面を歩くときには脚を前後させて、ノッシノッシとお尻を振るようにして歩くからなおさらです。 “群れて来る鳥・・・「ムクドリ」” の続きを読む

ホバリングできるか  「ヒヨドリ」2

 「ヒヨドリ」は前にも紹介したとおり、「ヒーヨ ヒーヨ」と鳴く中型の野鳥で、日本ではありふれておりますが、バードウォッチャーというものにはこだわりの強い人が多いとみえて、わざわざ外国から見に来ることがあるということです。
 全体に灰色に印象されますが、クローズアップしてみると、まるでシジミのように地味ながら美しい羽毛を持っています。全体にシャープで野性的。それにふさわしく、優れた飛翔力を見せます。

 このぐらいのいじわる なんでもないよ

 高みの枝からぐらりと地面に向ったかと思うと、すれすれで水平飛行に移り、翼を一閃二尖、それで高さをかせいだかと思うと、ぴたりと体側に畳み込み、身体をまっすぐにして弾丸のように距離をかせぎます。それを繰り返しますから、波状の飛跡を残します。 “ホバリングできるか  「ヒヨドリ」2” の続きを読む

墨絵のような端正 「ハクセキレイ」

 日本には「ハクセキレイ」「セグロセキレイ」「キセキレイ」の3種のセキレイがいます。どれもムクドリほどの大きさの胴に長い尾をつけていて、20㎝を超えるほどの大きさですから、中型の野鳥といえるのでしょうが、どれも墨絵を思わせるほどに彩りがシンプルであるためか、それほど大きいとは印象されません。まず「ハクセキレイ」に登場してもらいます。

 ハクセキレイです 目を通る黒い線が目印ですよ

 そして3種とも、調子を取るように短く鳴きながら軽々と波状に飛び、降り立ってからも、腰と長い尾をリズミカルに上下させています。3種を見分けるために要点を図にまとめてみましょう。 “墨絵のような端正 「ハクセキレイ」” の続きを読む

鞍馬天狗か黒頭巾 「セグロセキレイ」

「セグロセキレイ」は、ハクセキレイと同じように黒と白だけで装っています。その黒と白の案配がセグロセキレイでは一段と整理されており、古くは鞍馬天狗か黒頭巾、新しくは黒いメダシボウといったものを思わせるほどです。

 個での縄張り争いでは譲らぬよ

 日本に見られるセキレイの特徴をまとめた図を、ここでも挙げておきます。

“鞍馬天狗か黒頭巾 「セグロセキレイ」” の続きを読む

清流の麗人 「キセキレイ」

 「黒と白とで装うのは男性の特権でしてよ。あなた、素敵ね」と言われた男がいます。大英帝国が輝き渡っていたころ、一人の青年が艱難辛苦に耐え、粉骨砕身を続けて、海軍士官となり、艦長になり、艦隊司令官になり、貴族に列せられ、ついには伯爵令嬢と結ばれるという冒険物語の中の話です。
 言われたのは、軍装整えたサー・ホーンブロア艦長。言ったのはバーバラ令夫人。これを鳥に配すれば、艦長が「セグロセキレイ」、令夫人が「キセキレイ」ということになります。

 私も素敵じゃなくてはね

 ここでも、日本で見られる三種のセキレイの特徴をまとめた図を挙げておきます。 “清流の麗人 「キセキレイ」” の続きを読む

赤と黒 燕尾服 「アカゲラ」

アカゲラ」は「ケラ」、つまりキツツキの1種です。前に紹介した「アオゲラ」と並んで、ヒヨドリほどの大きさ(24㎝)ですが、ヒヨドリの全身グレイといった印象に比べて、なつかしい小説「赤と黒」を想わせるように、この2色で大胆に装っております。いくらか標高のある環境を好むようで、このあたりでお目にかかるのに少し時間がかかりました。挨拶してもらいます。

お初 お目にかかります いっそとことんまで・・・

 桜が咲き初めたころ、落葉樹の林で「キョッ キョッ」という鋭い鳴き声が聞こえ、「ドドドド…」というドラミングを聞きました。けっこう待たされた出会いでしたが、会ってみれば、満足のゆくものでした。 “赤と黒 燕尾服 「アカゲラ」” の続きを読む

百万石もなんのその・・・ 「ウグイス」

 中国から渡ってきた「花札」の図柄から「梅にウグイス」という取り合わせが定着してしまっていますが、これはもっともなことなのでしょうか。
 梅は早春に咲くので、ウグイスがきれいな声で鳴きだす晩春の頃とは、時期がずれてしまっています。それに、ウグイスは雑食性ですが、果汁や蜜は好みません。梅の花の蜜を目当てに訪れてくるのは「メジロ」の方なのです。「梅にメジロ」はよく見られる光景です。そんなことからも、ウグイスとメジロはよく間違えられるのでしょう。 “百万石もなんのその・・・ 「ウグイス」” の続きを読む

自在水中ゴーグル付き 「カワセミ」

 カワセミ」には、さまざまな書き方や呼び方が与えられており、絵本や写真集もいっぱいあります。昔から関心を持たれていた証拠でありましょう。「飛ぶ宝石」と言われるのも納得ですが、私にすれば「一直線に飛ぶ宝石」という方がしっくりくるようです。
 全長17㎝ほどありますが、クチバシがひどく大きいので、身体だけを比べれば「スズメ」ほどの大きさです。大きなクチバシを支えている頭も大きく重そうなので、飛ぶときは翼をこきざみに動かして、つんのめるような勢いで一直線に高速で飛びます。そうした時の鳴き方も「チッ ツー」と直線的です。それでいて、魚の上でホバリングしてタイミングを計ったりもしますから、おそれいったものです。 “自在水中ゴーグル付き 「カワセミ」” の続きを読む

大きなクチバシ 鋭い目つき 「シメ」

 グラデーションの効いた茶灰色、おおきなクチバシが冬には肉色、短い尾などのため、全体にずんぐりして地味な感じを受けます。
 「シメ」は、スズメをひとまわり大きくしたほどのサイズで、あまり警戒心も強くないために、冬の里山でしばしばお目にかかる野鳥です。・・・けれど、けっこうに並みでないところのある鳥だと私は思います。

「カラス天狗」を思わせるクチバシ

“大きなクチバシ 鋭い目つき 「シメ」” の続きを読む

ずんぐり見えても 締まるときは・・・ 「ヒドリガモ」

 「ヒドリガモ」は、冬にはよく見られる水辺の鳥で、マガモ(オスの首が緑色のためアオクビと呼ばれる)とコガモ(オスの目のまわりに勾玉のような形をした緑色の斑)の中間の大きさです。
 多くの野鳥と同じように、オスはメスよりも彩りが華やかで、オスは眉間から頭のてっぺんまでモヒカン刈り状にクリーム色で、頬から頸までが赤みがかった茶褐色、背中にはたいそう細かい黒い斑があります。メスはほぼ全体に褐色です。クチバシは、オス・メス共通に青灰色で先端がくなっています。
そのクチバシが、短くて少し反りかげんであるせいか、全体にずんぐりむっくりして可愛らしい印象を受けます。 “ずんぐり見えても 締まるときは・・・ 「ヒドリガモ」” の続きを読む