「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅰ 「ダイサギ」編

 初夏を迎えると、多摩川にも「アユ」の遡上が始まり、それも、今年は45万匹にも達すると推測されているそうです。
 アユは水鳥たちにとってもご馳走ですから、この時期には「ダイサギ」「アオサギ」「ウ」「コサギ」たちは躍動します。それに「カラス」たちも、どうにかしてあやかれないものかと躍起になるようです。
 「水鳥たちの宴」は、5月中・下旬から6月上旬にかけての早朝に観たもので、季節が進むにつれてアユも成長するのが分かります。けれど、こんなに間引きされてしまって大丈夫なのでしょうか。
 役者が全部そろって大宴会になることもありますが、Ⅰ〜Ⅵまでに分け、先ずは「ダイサギ」の様子から、個別に見てみます。 “「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅰ 「ダイサギ」編” の続きを読む

「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅱ 「アオサギ」編

 「アオサギ」は大型であるだけに、普段あまり活発で軽快な印象を受けません。けれど、アユの遡上の時期などには、その目付きからして精悍さを増すようです。

集中そしてゲット

 アユは、ところどころに生じる激流をものとせずに上流へ上流へと遡上しますが、きらめいてちらつく、その魚影を捕えようとアオサギが全身で集中する様子には、なるほど鳥類が直結する祖先は恐竜なのだなと納得させられるものがあります。 “「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅱ 「アオサギ」編” の続きを読む

「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅲ 「コサギ」編

コサギ」は名前の通り、ダイサギやアオサギよりも二回りほども小型で、夏には弁髪のように垂れ下がった飾り羽と、黄色の靴下を履いたような足先が目立ちます。動きは軽快です。

浅瀬であちらこちら

 激しい急流に挑むというようなことは苦手なようで、比較的おだやかな浅瀬などで、自分のサイズに会った子魚を機敏に追いまわす姿が印象的です。 “「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅲ 「コサギ」編” の続きを読む

「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅳ 「カワウ」編

カワウ」は、一見では黒っぽいだけで素っ気ない鳥に見えます。けれど、集団行動が良くシンクロナイズされており、飛翔するときは流れるようにきれいな列を作り、川で漁をするときも、誰が掛け声をかけているのだろうと思われるほどに、そろって展開したり集合したりして、気持ちが良いものです。 “「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅳ 「カワウ」編” の続きを読む

「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅴ「大宴会」

 6月の早朝。カワウ、ダイサギ、アオサギ、コサギ、それにカラス。役者の揃い踏みのような大宴会を見ました。

カワウ 続々と飛来 集合 整列 待機

 日の出すこし前の多摩川を上空から眺めると、流れのゆったりした個所や淀みは巨大な黒い蛇のようにうねって見え、瀬となって広がっているところは、すでにしらしらと浮き上がって見えることでしょう。
 「今日の朝食をどこでとろう」と誰が狩場を決めるのかは分かりませんが、下流から飛翔してきたカワウの隊列が高度を下げて、少しためらうように旋回を始め、やがて岸近くに着水します。そうしたところには、前もって1・2羽のダイサギやアオサギが目印のように立っていることが多いような気がしますが、カワウたちがそれを指標のように利用しているのかどうかは分かりません。

“「アユ」の遡上を巡る宴 Ⅴ「大宴会」” の続きを読む

おはなしあい

 何十年か前のこと、私は「知的障害」を有する少年たちが集団で生活している施設に関与したことがあります。彼らの表出には、和太鼓のリズムのように心に響くものがあるように思うのです。いつまでたっても新鮮です。
                          
    第一寮

ベンチに座っているぼくに
あっちへ行けといわないでください
“おはなしあい” の続きを読む