百万石もなんのその・・・ 「ウグイス」

 中国から渡ってきた「花札」の図柄から「梅にウグイス」という取り合わせが定着してしまっていますが、これはもっともなことなのでしょうか。
 梅は早春に咲くので、ウグイスがきれいな声で鳴きだす晩春の頃とは、時期がずれてしまっています。それに、ウグイスは雑食性ですが、果汁や蜜は好みません。梅の花の蜜を目当てに訪れてくるのはメジロの方なのです。「梅にメジロ」はよく見られる光景です。そんなことからも、ウグイスとメジロはよく間違えられるのでしょう。 “百万石もなんのその・・・ 「ウグイス」” の続きを読む

自在水中ゴーグル付き 「カワセミ」

 カワセミ」には、さまざまな書き方や呼び方が与えられており、絵本や写真集もいっぱいあります。昔から関心を持たれていた証拠でありましょう。「飛ぶ宝石」と言われるのも納得ですが、私にすれば「一直線に飛ぶ宝石」という方がしっくりくるようです。
 全長17㎝ほどありますが、クチバシがひどく大きいので、身体だけを比べれば「スズメ」ほどの大きさです。大きなクチバシを支えている頭も大きく重そうなので、飛ぶときは翼をこきざみに動かして、つんのめるような勢いで一直線に高速で飛びます。そうした時の鳴き方も「チッ ツー」と直線的です。それでいて、魚の上でホバリングしてタイミングを計ったりもしますから、おそれいったものです。 “自在水中ゴーグル付き 「カワセミ」” の続きを読む

大きなクチバシ 鋭い目つき 「シメ」

 グラデーションの効いた茶灰色、おおきなクチバシが冬には肉色、短い尾などのため、全体にずんぐりして地味な感じを受けます。
 「シメ」は、スズメをひとまわり大きくしたほどのサイズで、あまり警戒心も強くないために、冬の里山でしばしばお目にかかる野鳥です。・・・けれど、けっこうに並みでないところのある鳥だと私は思います。

「カラス天狗」を思わせるクチバシ

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ずんぐり見えても 締まるときは・・・ 「ヒドリガモ」

 「ヒドリガモ」は、冬にはよく見られる水辺の鳥で、マガモ(オスの首が緑色のためアオクビと呼ばれる)とコガモ(オスの目のまわりに勾玉のような形をした緑色の斑)の中間の大きさです。
 多くの野鳥と同じように、オスはメスよりも彩りが華やかで、オスは眉間から頭のてっぺんまでモヒカン刈り状にクリーム色で、頬から頸までが赤みがかった茶褐色、背中にはたいそう細かい黒い斑があります。メスはほぼ全体に褐色です。クチバシは、オス・メス共通に青灰色で先端がくなっています。
そのクチバシが、短くて少し反りかげんであるせいか、全体にずんぐりむっくりして可愛らしい印象を受けます。 “ずんぐり見えても 締まるときは・・・ 「ヒドリガモ」” の続きを読む

トリにもリュウマチあるのかな・・・「カンムリカイツブリ」

カンムリカイツブリ」は、日本で見られるカイツブリ類の中では56㎝という最大種で、多くは冬鳥として海外から渡来します。
 特徴となっている長い首を真っ直ぐに立てていることが多いので、として目立ちます。オス・メス同じデザインで、背中は黒褐色、首の前面と腹は白ですが、夏には登頂に黒い冠毛が生え、頬から後頭にかけても黒縁の飾羽を付けますから、いっそう颯爽として見えます。
 どういうわけか、冬の装いから夏の装いに移行する時期が個体によって大きな差があることは注目されているようで、1月にすでに夏服に着替えてしまっているのもあれば、5月になっても未だ冬の衣装でいる個体もあるということです。 “トリにもリュウマチあるのかな・・・「カンムリカイツブリ」” の続きを読む

オスの勾玉 メスの翡翠 「コガモ」

 「コガモ」は、日本で見られるカモ類では最も小型で体長38㎝ほど。ドバトよりいくらか大きいかといったサイズです。
 秋も早くに中國東北部やシベリアから渡来しますが、そのときはオス・メスともに同じような地味系の装いをしていて、見分けは難しいのです。
 海の向こうの繁殖地では、派手な色味は天敵などに巣を見付けられ易いので避けており、日本に来て越冬する間に、オスはカラフルに変わってゆくのです。なるべく早く、次の繁殖のために良い伴侶が得られるようにするためです。先ずはオスに挨拶してもらいます。 “オスの勾玉 メスの翡翠 「コガモ」” の続きを読む

ヒトの営みに慣れて・・・賀すべきか 弔すべきか 「オオタカ」

 「猛禽類」といえば「ワシ」と「タカ」が代表となりますが、ワシとタカとの違いは一口に云って、その大きさに依っています。
 「イヌワシ」「オオワシ」「オジロワシ」などは翼羽幅が2mを超えることが多く、名前を聞いただけで畏怖を覚えるほどですが、「ワシ」という言葉には、空の王者にふさわしいおおぶりな響きがあります。それに対し、「タカ」と聞いた方が、機敏俊敏精悍、といった印象を強く受けます。
 さて、日本では代表的なタカが「オオタカ」で、背中と翼の上面が黒灰色であることから「蒼鷹(あおたか)」、それが転じて「オオタカ」となったものです。オスの体長は50㎝、メスが60㎝と、メスの方が大きく、ともに俊敏で飛翔能力は高く、急降下時には優に時速100㎞を超え、空中でハトやカラスやヒヨドリを捕えるという能力を備えています。 “ヒトの営みに慣れて・・・賀すべきか 弔すべきか 「オオタカ」” の続きを読む

河川敷が溢れたときはどうするの・・・「キジ」

 ご存知のように、「キジ」は日本の固有種で、国鳥に指定されています。
 昔から屏風や掛軸に好んで描かれていますから、その絢爛とした彩りもおなじみでありましょう。それにしても、カメラというものの無かった時代に、絵描きたちは対象の一瞬を良く捉えていたこと!昔の人の絵を見るたびに感じいります。

傾いたアカシアの林

 春から初夏にかけて、多摩川の河川敷でも「ケーン ケーン」というオスの鳴き声がけっこう聞かれます。写真は、増水した時に流されてきた木や草を根元に絡ませて傾きながらも、したたかに花を咲かしているニセアカシアの明るい林です。 “河川敷が溢れたときはどうするの・・・「キジ」” の続きを読む

認知症になったらどうするのかな 「ツバメ」「イワツバメ」

 「ツバメ」は誰にもなじみのある小鳥です。
 そのスマートさにふさわしい飛翔能力には驚かされます。宮本武蔵のライバルだった佐々木小次郎の秘剣「つばめ返し」は、ツバメが華麗俊敏に身をひるがえす有り様にあやかって名付けられたものでしょう。
カルガモの上を飛ぶツバメです。

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馬に噛まれて・・・川また川を渡る

 馬‥・これに私は二度噛まれ、一度振り落とされ、一度蹴り上げられたことがある。
 一歳半ころ、ネエヤに背負われて街道に出ると、ちょうど一頭のふとぶととした運送馬が荷車につながれたまま飼葉を食べていた。「ほら、おうまちゃんよう」とネエヤが背中をねじると、カボチャのような私の頭が運送馬のほうに振り出された。馬は付き合っている気分ではなかったらしい。麻雀のパイのような前歯が私の額の真ん中に当てられ、四角く皮膚がめくれてずいぶん血が出たそうだ。これはいくらなんでも憶えていない。
 八歳のとき、仲間と木曽馬の馬市に遊びに行って、度胸試しのつもりをやった。仮の囲いと囲いのあいだを駆け抜けるのである。馬たちが両方からずらりと首をだして、丸太をカヌーのようにくりぬいた桶からボクリボクリと飼葉を食んでいた。 “馬に噛まれて・・・川また川を渡る” の続きを読む