「セグロセキレイ」は、ハクセキレイと同じように黒と白だけで装っています。その黒と白の案配がセグロセキレイでは一段と整理されており、古くは鞍馬天狗か黒頭巾、新しくは黒いメダシボウといったものを思わせるほどです。
個での縄張り争いでは譲らぬよ
日本に見られるセキレイの特徴をまとめた図を、ここでも挙げておきます。
石がごろごろと積み重なったような水辺の環境に強く依存しており、そういうところでは生き生きとして見えます。ひらりと飛び上って、あるいはホバリングを加えて、流れの上を舞う昆虫などをフライングキャッチするというような見事な飛行術を披露してくれます。石の上に戻ると、なんでもなげに、尻尾を上下させる運動を続けているという躍動ぶりです。
水辺を離れて、乾いた畑や公園などで見かけることはいたって少なく、一方、最近のコンクリートで護岸されたのっぺりした流れの環境には我慢がならないようです。そういう気難しさが、最近の調査が明らかにしているように、個体数が減少しつつある原因のひとつでありましょう。
日本固有種であることから、外国のバードウオッチャーには人気の高い野鳥の一つです。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。