生命の種のありようの変化、つまり「進化」というものは意外に速く進行することがあり、ともすると私たちの身近に目のあたりにするチャンスすらありそうなのです。
1 話は「遺伝か環境か」というところから始まる
2 「カッコウ」の登場
3 「オナガ」の登場
4 「オナガ」の防衛
5 「オナガ」復帰の兆し
6 まとめ
1 話は「遺伝か環境か」というところから始まる
両親から受け継いだ遺伝子の配列そのものは生涯を通して不変であると考えられます。ところが、例えば一卵性双生児は互いに全く同じ遺伝子情報を持っているのですから、一方が統合失調症を発症したら相方も100%発病するかというと、これがそうではないのです。50%ほどは発病しないという事実がかなり前から知られています。
遺伝子が生物を規定する力は強大であるけれども、必ずしも運命を決定するものではなく、環境が作用するところも大きいことを示しています。 “「カッコウ」をめぐる「オナガ」「モズ」「ホオジロ」の物語” の続きを読む
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。