剣豪宮本武蔵はモズが気に入っていたようです。秋も9月の末ごろから、枝先で「キーイ、キリキリ、キリ」と鋭く高鳴きして凛々と縄張り宣言をし、スズメよりも少し大き目といった体格でありながら、あたりを睥睨しているありさまが剣豪には好ましかったのでしょう。ワシ・タカ類のようにクチバシの先が鉤状に曲がっていて、徹底した肉食のハンターであることにも共感したのかも知れません。挨拶してもらいます。
わしがモズじゃ おぬし できそうだの
お立ち台の上でというような、モズの風格は写真でご覧の通りです。宮本武蔵は「枯木鳴鵙図」という、モズをモチーフにした水墨画を残していますが、これは「重要文化財」に指定されているほどの出来栄えとされています。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。