思い出につながる「ヤマガラ」

シジュウカラのトレードマークは、白い胸に黒いネクタイ。ヤマガラのそれは、茶色のチョッキに黒の蝶ネクタイ。ともに虫などを求めては枝から枝へとせわしなく渡ってゆくので、写真のターゲットとして捉えるのはやさしくありません。まずは、挨拶してもらいます。

エッ! ボク? ボク ヤマガラ

茶色のチョッキをカメラのファインダーに入れるたびに、幼かったころの木曾谷の夏祭りを思い出します。先の大戦後も数年間、「木曽馬」の馬市はサーカスの小屋が立つほどににぎわったのですが、農耕機械などの発達とともに馬市は次第に先細りとなって、ついに消滅してしまいました。おとなしくて働き者だった木曽馬は必要でなくなったのです。それから谷は過疎化に向かうのですが、女神さまを祭ってある「水無神社」の祭りだけは輝きを失わないように、谷の人々は踏ん張り続けました。
中仙道の関所跡から下って来る道に沿って並んだ露店、アセチレンガスを使ったランタンの特有な刺激臭、木曾節の踊りの輪、谷の狭い空を塞いでしまいそうな打ち上げ花火と轟音。・・・そうした賑わいをちょっと外したところに、「ヤマガラのおみくじ引き」という芸が出ていることがありました。 “思い出につながる「ヤマガラ」” の続きを読む