里山のダンディー 「シジュウカラ」

白い胸に黒いネクタイ。オスのネクタイは太目で、メスはやや細め。スリムで軽快な身のこなし。このごろの流れから、あえてオスメスをまとめての言い方をしますが、シジュウカラダンディーです。 この列島を通していちばん見慣れている小鳥の一つでしょう。先ずは、挨拶してもらいます。

濡れたところをお恥かしいけれど・・・シジュウカラです

きれい好きでもあるようです。

どうせ見られているなら・・・やけくそだあ!

や、メジロ君か 君もやるなあ

 

 

 

 

 

 

 

近くに子育てのための虫を得られるだけのがあればのことですが、直径28〜30mmの穴を開けた巣箱をネコやヘビ襲撃から安全であるように考えて設置すると、シジュウカラにとってもこの頃は住宅難のようで、決まって入居して子育てをします。
広くもない私の庭に取り付けた場合ですと、巣作りの段階で、綿毛などをいっぱいにくわえて来た親鳥と、上と下とで目が合ってしまい、ともにハタリと動きを止めあったりするというバツの悪さはこらえなければなりません。やがて、子育て中を告げる「ツッピン、ツッピン」という父鳥の誇らしげな高鳴きが響くようになります。
ヒナが孵ったとなると、親たちは入れ替わり立ち替わりに虫を運んできますが、いたって無造作に、スピードをほとんど落とさずに穴の中に飛び込んでゆく一方があるかと思うと、つれあいの方は巣箱から離れた枝にとまって虫をぶら下げながら首をかしげ、「ジッジッジッジッ」と凄みの効いた警戒音をだしながら、あちらこちらに移ってはためらい、ようやく中央の穴に入ってゆくというようなことがよく繰り返されます。まるでヒトの夫婦を見るようです。そうした違いをプリントしたDNAを、またそれぞれにヒナたちは受け継いでゆくのでしょう。
脅しついでだからと、巣箱の裏蓋を開けて見ると、親の警報に従ってヒナたちは一枚のビロードのように身を伏せ合ってピクリとも動かずにいて・・・とはゆかないようで、ご覧の通り。いっせいにこちらをうかがっていて、この年の場合、少なくとも6羽は数えられます。

むくのヒナたちの目

そんなこんなで巣立ちしてから1ヶ月ほどした頃、親子連れの一群が庭にやって来ることがあります。お礼を言いに来たのだろうと思いながら眺めることにしております。そんな頃に、使われたを巣箱からきれいに取り除いてやらないと、次の春に巣箱が使われないことがあります。シジュウカラに限ってのことではないと思いますが、ヒトの場合にも通ずることでしょうが、夫婦で少しずつ材料を運んで新しい巣作りという作業をするうちに、卵を産んで、力を合わせて、一緒に子育てをしようという気分になるのだそうです。

取り出した巣に、ヒナたちの糞が一つも無いことに注目願います。これは、親たちが餌を運んで来てはヒナに与え、巣を出る時には子供たちの糞を忘れずにくわえて出て、わざわざ遠くに捨てるからです。真っ白な糞です。近くにぽとぽと投げ落とすと、ネコやヘビなどに巣の在りかを感づかれてしまう危険があるからです。

このようにして成長を遂げると、結構に立派になります。

 

投稿者: ロウボウ

長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。 身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。

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