前に紹介したのは、銀髪黒覆面のジョウビタキでした。
2番手はルリビタキ。ジョウビタキの親戚です。
ともにスズメほどの大きさで、夏に北海道や本州の高地など子供を産んで育て、寒い時期には関東地方よりも南の暖かい地方で過ごします。雑食性で、木の実、昆虫類などを食べ、やはり「ヒッヒッ」と澄んだ声で地鳴きします。ジョウビタキはジョウ(昔の銀髪の呼びかた)を被った火焚き(地鳴きが火打石を使う音に似ている)ということから付けられた名前でしたが、ルリビタキはルリ色をした火焚きというわけです。里山よりも少し奥に入った暗みの混じった林を好むのだそうで、なんとなく、孤独あるいは孤高の雰囲気を漂わせます。まずは、挨拶してもらいます。
ルリビタキです。こんにちは!
身近にいた「青い鳥」
「京王百草園」の近くに、私たちがたずさわっている「倉沢の里山を守る会」の「百草分園」ともいうべき幾つかの区画がありますが、ある春の日、菜の花を摘んでいるとき、「ヒッヒッ」という憶えのある鳴き声がしたので目をあげると、隣に続いている栗林の中を、全体に青色に印象される小鳥らしいものが、枝を縫うようによぎって消えるのを目にしました。少し前にジョウビタキを撮ったとき、物知りの先輩の会員さんから「ルリビタキというのが居てね。これは珍しいよ」と聞かされていたので、「もしや」と思い、「小鳥は同じところにやって来る」というのを当てにして栗林の中で少し待つことにしました。
そして、撮れたのがこれらです。ジョウビタキまでとはゆかないまでも、やはりヒトをあまり警戒するたちではないようで、ポーズをとるようにこちらを見続けていましたから、お見せしたい写真が幾枚もあります。瑠璃色というのは紫色をおびた鮮やかな青を云うらしいですが、オスがこれほど立派に青くなるには3年ほどもかかるそうです。メスには未だお目にかかっておりませんが、メスの方は尾だけがうっすらと青みがかっているだけだそうです。
その場で、ちょうど隣の区画に来られていた女性会員に撮ったばかりの画像を披露しました。普段はいたって無口な方ですが、「おお、いい面構え。アップするに耐えますね」と見事なコメントをくれました。それで、いい面構えというのをアップしておきます。
それからしばらくして、私はびくびくしながらPET-CTという検査を受けました。全身どこに癌があっても、たちどころにカラーで映像されるというのです。結果は・・・ルリビタキは私にとっても青い鳥だったようです。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。