連想
「クマバチ」というインプットがあると、私の連想は「クマバチ」→「藤の花」→「蔵の窓に腰を掛けている二人の米兵」→「母」というふうに一瞬で繋がります。何年も何年も前から、その連鎖は変わっていません。
クマバチあるいはクマンバチ
誰が言い始めたものか、クマバチとは上手く名付けたものです。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。
生き物はひとつ 世界のなかま
「クマバチ」というインプットがあると、私の連想は「クマバチ」→「藤の花」→「蔵の窓に腰を掛けている二人の米兵」→「母」というふうに一瞬で繋がります。何年も何年も前から、その連鎖は変わっていません。
誰が言い始めたものか、クマバチとは上手く名付けたものです。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。
ずんぐりした灰色の身体に黒覆面か黒頭巾。それを突き破るように突き出している大きなクチバシの黄色。
大きなクチバシは「アトリ科」の特徴で、イカルのほか、アトリ、カワラヒワ、マヒワ、ウソ、シメなどを身近に見ることができます。いずれも頑丈なクチバシを持っています。堅い木の実や木の芽を好んで食べるところが共通しているからです。その中でも「イカル」のクチバシの威容は群を抜いていて、かなりの木の実をバリバリと砕いてしまう様子から「豆ころがし」「豆まわし」「豆わり」などと呼んでいる地方があるようです。こわもてのイカルといった感じです。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
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「オシドリ」と聞けば、すぐに「おしどり夫婦」と頭が反応します。
「いとおしい」つまり「いと愛しい」が鳥とくっついて「いと愛し鳥」、やがて「オシドリ」と呼ばれるように。由来からして特別なのです。
カモの仲間で、オスが50㎝、メスが40㎝ほど。オスはカラフルに飾り立ててクチバシまでが赤。メスはぐんと地味な装いです。 “さまざまな説話で飾られる 「オシドリ」” の続きを読む
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自動車で、目がつり上がって歯を剥きだしているようなフロントデザインを「ドヤ顔」と言うそうで、「どいたどいた」という気分を車に託すのがこのところのトレンドであるようです。
野鳥についていえば、とりあえず「ヒヨドリ」がドヤ顔といえそうです。「なるほど、鳥類は恐竜の子孫なのだ」と思い出させるような押し出しと、それを強調している灰色だけの衣装を選んでいます。時にカスリ模様が浮いて見えることがあって、ななか美しいのですが・・・。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
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朝まずめの中から切り立った崖が銀色に浮かび始め、輝きを増すにつれて黄金に変わり、迫力を増し、手前の川辺に大型の水鳥たちが集まって来たりして彩を添えると、しばらく幻想の世界に浸ることができます。ちょっと、ミステリアスな話ですが、この謎を解いてみようと思います。 “黄金に輝く崖” の続きを読む
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地球上に、湖というものは無数にあるのだろうと思います。
シベリア上空をジェット旅客機で飛んで、黒い湖が勾玉が連なったように延々と続いている光景を見た人はおおぜい居るはずです。北極圏だけでもそんなふうです。
阿寒湖、摩周湖、支笏湖、十和田湖、バイカル湖、オンタリオ湖、ネス湖・・・その深さや透明度や特有の生き物などのためもあって、それぞれに伝説とロマンに溢れています。
黒部ダム、佐久間ダム、アスワンハイダム・・・ダムもこのクラスになると、建設の途中から伝説を生んでいます。
水が堆積すると、私たちに語り掛ける不思議な力を持つようになるのでしょう。 “湖とダム 海” の続きを読む
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六歳のときのことです。
夏のある日、父の引き出しを掻き回していると、不思議なものが見つかりました。ぽってり丸く透きとおったもので、上にかざすと、どんなものでも大きく見えるのです。
夢中になって、あたりを覗いてまわりました。新聞の写真がおそろしくツブツブなのに驚き、手の指におかしな渦があって、よく見ると渦の山にそって可愛らしい水玉がならんで光っているのに驚き、障子紙がひどく毛羽立っているのに感心し、死んでいる蜘蛛の頭を覗いたときにはあやうく目を回すところでした。
一段落してみると、不思議でたまらなくなります。ガラスらしいものがふっくらしているだけで、どうしてこんなことが起こるのだろう。
その日の夕飯の最中、コップの水を飲もうとした瞬間、すばらしいことがひらめきました。コップの向こう側に透けて見える指が、これが自分のものとは思えないほどに歪んで大きく見えるのに気付いたのです。
・・・さては、あの手品の道具の中にも、水が入っているにちがいない!あれだけの薄さで、あれだけ大きくして見せるのだから、ただの水ではなく、とろりとした特別上等な水が詰め込まれているのだ・・・。 “ルーペ” の続きを読む
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「アヒル」の英語はダック。
ダックと聞いて、「ドナルドダック」を思い出す人はディズニーファン。「ペキンダック」を思い浮かべる人はグルメマニア。とっさに「マガモ」が頭に浮かんだとしたら野鳥ファンというところでしょうか。 “カモがネギ背負って・・・? 「マガモ」” の続きを読む
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「ホシハジロ」はヨーロッパからアジアまで広く棲息しており、日本では主にシベリアから渡ってくる冬のお客さんです。
今のところ日本全国で見慣れた中型のカモですが、世界的に見れば、年を追って数を減らしつつあるとの警告が出されています。近年ついに「絶滅危惧種」と評定されてしまいました。
狩猟、ボートやキャンプなどのレクリエーション、河川や湖の冨栄養化・・・などによる水辺環境の悪化が原因であるとされ、これまたヒトがもたらしている災禍のようです。また一つの種を絶滅に追いやっているとは・・・申し訳ないことです。
オスは分かり易く色分けされています。
頭から頸が盛り上がるように茶色、胸が黒色、背中が白っぽい灰色。ついでに、目(虹彩部)がルビーのような赤色であることもオスの特徴の一つになっています。
メスは全体を地味に装っており、どういうわけかオスと違って、目が茶色です。背中も褐色ですが、模様がヤガスリのように浮き出して見えることがあって、これをたいそう美しいと感じる人がいるだろうと思います。
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「ノスリ」については「のっそりノスリ」という題で以前に記事にしたことがあります。ずんぐりしていてのっそり。そんな印象が強かったからでした。
トビほどの大きさの猛禽類であるのに他の野鳥をあまり狙わないことから鷹匠たちから「役立たず」[能なしタカ]とさげずまれ、今でも地方によっては、止まっている時の色合いを馬糞に見立てて「マグソダカ」「クソトビ」と呼ばれることがある・・・これらが私の先入観にあったと思われます。
たしかに、冬の寒風の中、遠い枝の上で獲物を待つ続けるノスリに長いあいだ付き合わされたことがありました。すっと身を細めて乗り出すことがあるので「さてこそ」とシャッターに指を掛けると、また元のずんぐりに戻ってしまうのでした。
また、遠くの林の枝の絡みが祠のように抜けたところに古びた地蔵さまのようなものが見えるのをいぶかしんで拡大して見ると、正体はノスリだったこともあります。石に見えるほどにじっとしていることがあるのです。こうしたことから、やはり、ノスリはずんぐりのっそりという印象でした。
この秋、「タカの渡り」が観られることで有名な信州の「白樺峠」を訪ねました。尾根から西をうかがうと白樺の幹の間から近々と乗鞍岳が見え、東には遠く松本平がかすんでいるこの地を、1シーズンで20000羽近くのタカ類が南方に渡り、そのうち4000羽ほどをノスリが占めているとのことでした。
晴天に恵まれた一日をその日の主人公であった「ハチクマ」の渡りで堪能し、次の日、長野県と山梨県の県境に広がる「原村」に移動しました。 “のっそり見えて優れた飛翔 「ノスリ」Ⅱ” の続きを読む
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