さえずらないヒバリ 「タヒバリ」

さえずらない ヒバリ

 冬の野原、ことに河川敷を歩いていると、10メートルほど先の枯れた草むらから褐色のものが飛び出して、まっしぐらに低い高度で対岸に向かうか、行方の草むらの中に突っ込んで見えなくなるか・・・しばしば出くわす光景です。木の枝に止まるということをせずに、褐色のものが枯草に紛れ込むのですから、正体をしげしげと見られるということはあまりないと思います。向こうさんは草のあいだから何時だってこちらをお見通しというわけですから、ヒトとコトリの大きさの違いからとはいえ、どうも分の悪いことです。
 ある日、3〜4メートル先の藪の中がチラリと動いたような気がして、・・・と、向こうさんは何かによほど気を取られていたのでしょう。居ました。両方とも「おっ 何?」という具合でした。 “さえずらないヒバリ 「タヒバリ」” の続きを読む

名の由来を知ったら もう忘れない 「キンクロハジロ」

金・黒・羽白 

キンクロハジロ」は冬によく見られるカモの仲間です。はじめてキンクロハジロと名前を教えられたときは「え、なにそれ」と聞き直してみたいほどに奇妙な感じを受けます。けれど、その由来はなんということはなく、金色の目、黒い体、白の目立つ羽、ということから「金・黒・羽白(きんくろはじろ)」なのです。もう忘れようもありません。たしかに、翼を広げると白が目立ちます。オスに登場してもらいます。

 そして、ただのカモではありません。水の中に潜って採餌します。普通は2m、15sec前後ですが、10mの深さに潜水できるという観察があるようです。カワウのように魚を捕まえるほどのスピードはありませんが、水底に潜むシジミなどの二枚貝は大好物のようで、殻ごとバリバリと食べてしまうというカモばなれしたところがあります。頑丈な嘴をしてますね。次はメスです。

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トビよ

 

トビよ 

 

  トビよ
  お前の脚に絡んだものを

  太陽にとどけてくれ
  
  どこまでも飛んで
  どこまでも飛んで
  翔ぶほど 輝きを増す中へ
  さらに翔んで

  

 

低木の下でつつましく・・・ 「アオジ」

 冬。たとえば公園に植えられたサツキの下で、カサリコソリという音がします。気をそそられて覗きこみますと、スズメほどの大きさの小鳥が、動きを止めてこちらを見上げていることがあります。シャイな小鳥で、向こうから人前に姿を見せるということは、まずありません。
 といって、ヒトを見るなり間髪を入れずに逃げるというのでもなく、よく言われるように「たいそう警戒心が強い小鳥だ」とは私としては思いません。
 この機会に挨拶してもらいます。 “低木の下でつつましく・・・ 「アオジ」” の続きを読む

ぴょんと潜って ぴょんと出る 「カイツブリ」

 たとえば、「昭和記念公園」には「水鳥の池」と呼ばれているバードサンクチュアリがあり、ことに冬にはカモの類が多く見られます。カモたちはグループやペアを作って行動するのが普通で、小春日和の昼などには、いっせいに羽の中に首を入れて、陽だまりに並んでいたりしているものです。
 そうした中に、1羽だけでいるので却って目立つのですが、小さくて丸っこいシルエットが、ひょいと消え、ぴよんと顔を出すことを繰り返しているとしたら、それはおそらく「カイツブリ」でありましょう。挨拶してもらいます。

 忙しいけど 元気してまーす!

 しきりに潜りを繰り返すので、表面の羽根が水滴だらけですが、綿毛のような細かい羽毛が厚く用意されていて暖かそうです。カイツブリの仲間のうちでは一番小さく、チャボほどの可愛らしい水鳥です。

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カモネギどころか・・・「カルガモ」

 もともと「カモ」という水鳥は、ヒトの近くに居ながらおっとりしたところがあって、「デコイ」などのオトリに容易に騙されやすくもあり、捕まえやすい獲物だったのでしょうか・・・、「カモがネギしょって来た」「あいつをカモッてやる」などと使われるようになるほど、私たちから軽く見られているところがあります。
 そうでしょうか? けっこう貫禄のあるところで「カルガモ」に挨拶してもらいます。 “カモネギどころか・・・「カルガモ」” の続きを読む

群れて来る鳥・・・「ムクドリ」

 たしかに「ムクドリ」はよく群れます。「群れて来る鳥」が短略されて「ムクドリ」となったとする説が有力なようで、昔から「リャーリャー ギャーギャー ギュルギュル」と騒ぐ人(?)たちのことを「椋鳥」と呼んでうとましがる傾向があります。

 おれ いま群れてない 嫌うの

 クチバシから頭の線がシャープで、頬に銀色の斑が目立つせいか、どことなく金属的な印象を受けます。身近な鳥では、すこし大きめな「ヒヨドリ」と並んで、「たしかに鳥類は恐竜の子孫なんだな」と思わせる野鳥の筆頭でありましょう。ムクドリは、地面を歩くときには脚を前後させて、ノッシノッシとお尻を振るようにして歩くからなおさらです。 “群れて来る鳥・・・「ムクドリ」” の続きを読む

ホバリングできるか  「ヒヨドリ」2

 「ヒヨドリ」は前にも紹介したとおり、「ヒーヨ ヒーヨ」と鳴く中型の野鳥で、日本ではありふれておりますが、バードウォッチャーというものにはこだわりの強い人が多いとみえて、わざわざ外国から見に来ることがあるということです。
 全体に灰色に印象されますが、クローズアップしてみると、まるでシジミのように地味ながら美しい羽毛を持っています。全体にシャープで野性的。それにふさわしく、優れた飛翔力を見せます。

 このぐらいのいじわる なんでもないよ

 高みの枝からぐらりと地面に向ったかと思うと、すれすれで水平飛行に移り、翼を一閃二尖、それで高さをかせいだかと思うと、ぴたりと体側に畳み込み、身体をまっすぐにして弾丸のように距離をかせぎます。それを繰り返しますから、波状の飛跡を残します。 “ホバリングできるか  「ヒヨドリ」2” の続きを読む

墨絵のような端正 「ハクセキレイ」

 日本には「ハクセキレイ」「セグロセキレイ」「キセキレイ」の3種のセキレイがいます。どれもムクドリほどの大きさの胴に長い尾をつけていて、20㎝を超えるほどの大きさですから、中型の野鳥といえるのでしょうが、どれも墨絵を思わせるほどに彩りがシンプルであるためか、それほど大きいとは印象されません。まず「ハクセキレイ」に登場してもらいます。

 ハクセキレイです 目を通る黒い線が目印ですよ

 そして3種とも、調子を取るように短く鳴きながら軽々と波状に飛び、降り立ってからも、腰と長い尾をリズミカルに上下させています。3種を見分けるために要点を図にまとめてみましょう。 “墨絵のような端正 「ハクセキレイ」” の続きを読む

鞍馬天狗か黒頭巾 「セグロセキレイ」

「セグロセキレイ」は、ハクセキレイと同じように黒と白だけで装っています。その黒と白の案配がセグロセキレイでは一段と整理されており、古くは鞍馬天狗か黒頭巾、新しくは黒いメダシボウといったものを思わせるほどです。

 個での縄張り争いでは譲らぬよ

 日本に見られるセキレイの特徴をまとめた図を、ここでも挙げておきます。

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