ぴょんと潜って ぴょんと出る 「カイツブリ」

 たとえば、「昭和記念公園」には「水鳥の池」と呼ばれているバードサンクチュアリがあり、ことに冬にはカモの類が多く見られます。カモたちはグループやペアを作って行動するのが普通で、小春日和の昼などには、いっせいに羽根の中に首を入れて休んだりしているものです。
 そうした中に、1羽だけでいるので却って目立つのですが、小さくて丸っこいシルエットが、ひょいと消え、ぴよんと顔を出すことを繰り返しているとしたら、それはおそらく「カイツブリ」でありましょう。挨拶してもらいます。

 忙しいけど 元気してまーす!

 しきりに潜りを繰り返すので、表面の羽根が水滴だらけですが、綿毛のような細かい羽毛が厚く用意されていて暖かそうです。カイツブリの仲間のうちでは一番小さく、チャボほどの可愛らしい水鳥です。


 アメリカ大陸をのぞいて、ほぼ世界中の温暖な地域に分布しているということですが、環境の悪化からか、個体数を減らしているそうです。日本でも、こころなく移入されたブラックバスなどに雛鳥が食べられてしまうことが問題になっており、多くの地方でこれからが心配されています。

 風が立つと 小魚ハンターらしい凄みが

 雌雄同色で、頭と身体の上面は黒褐色、頬から頸の脇が赤褐色、クチバシの根元に白い線が入り、冬にはそれぞれが淡くなります。
 脚がお尻のすぐ前に付いているので、地面の上を歩くのはひどく不安定ですが、水の中では一転。カエルに似たあおり脚のような使い方で自在に泳ぎ回ります。魚、水中昆虫、エビ、カニなどを食べます。

 毛から水を振り払っておいて

 それから、すっと身を細めたかと思うと、すぽりと水の中です。

 日本では、古くから鳰(にお)という名前で知られていて、琵琶湖は鳰海(におのうみ)と呼ばれていました。室町時代から、「掻いては潜る(掻きつ潜りつ)」ということから、「カイツブリ」となったとされているようです。

 さよなら

ロウボウ

投稿者: ロウボウ

長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。 身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。

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