満開のソメイヨシノの下枝で
春はまた巡って来ました。
4月3日の午前中、子犬と連れ立って近くの高みに出掛けると、とある満開のソメイヨシノの辺りに、ウグイスが来ているのが遠くから知れました。盛んに声を張り上げていたからです。けれど、「桜にウグイス」というのは聞いたことがありません。
そもそも、ウグイスは藪を好むうえに警戒心が強く、直ぐ近くに大きな囀りが聞こえていても、姿を見るのは難しいものです。
今度も無駄だろうと思いながらも・・・そっと近づいてみると・・・なんと、お目に掛れました!
咲き誇る桜を逆光気味にして、声を張り上げる時には一杯に身体を膨らませながら(普段のスリムな姿とは一変、太り過ぎの野ネズミを思わせるほど)、低い枝に沿って移動しています。ウグイスが高鳴きする様子はこれまでも幾度か写真に収めていますが、サクラの花の蜜を当てにしているらしい様子を見るのは初めてのことで、「桜に鶯というのもありなんだ!」と思いました。
動画に御覧の通りです。
ところが、家に戻ってゆっくり動画を再生してみると、ウグイスは桜の枝に絡んだ蔓性の植物を当てにして移動しているのであって、背景になっている花には目もくれていないことが分かりました。やはりウグイスの食性は雑食性とは言え特にこの時期には動物性に傾いており、サクラの花との取り合わせは全くの偶然であるらしいのでした。残念!
つまり、「梅に鶯」というのは間違っていますが、「桜に鶯」とは誰も言わないだけに、もっととんちんかんな取り合わせのようです。
桜にヒヨドリ
「桜にヒヨドリ」というのは堂々と言えることです。この日、同じ桜の木に来ていたヒヨドリの様子を見てください。大きな図体で小さな花から飽きもせずに蜜を吸い集めています。ヒヨドリは「里山の野武士」というにぴったりのところがありますが、柄に似合わず、熟し柿やジュース、花蜜といった甘いものが大好きなのです。


長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。