1 不運なとりあわせ
この事案に迫ってゆくためのキーワードは次の三つである。「行為障害」「性的サディズム障害」「愛着の問題」。
どの一つをとっても対応や治療、そして教育に大きな困難をともなうものであるうえに、これらが三つ巴をなすように入り組んでいる。それぞれに、どういうところが生来の機能障害の存在を思わせるか、どういうあたりに生育環境が絡んできていると捉えられるだろうか。
ひとつの不運な波が先行し、その上に後発のものが追い付いては重なることで高さを増し、ついに波の頂上が崩れ落ちる。そんな成り行きが映像的に想われる。 “神戸連続児童殺傷事件 Ⅳ 「行為障害」” の続きを読む
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。