蜘蛛の子を散らすように


一度、見てみたかった

 「蜘蛛の子を散らすように」・・・何かの目的で集まっていた人たちが、いきなり慌てふためいて逃げ散るありさまを例えていうことがあります。ところが私は、クモの子が逃げる様子はどんな風かを見たことがありません。

出会えた 蜘蛛の赤ちゃんたち

 もうすぐ梅雨入りかという頃のある日、子犬と一緒に近くの公園に行くと、その日も、ちょっとした広がりは子犬と私の貸し切りでした。この頃の子供たちはあまり外に出ないようです。
 広場の奥まったところに一本の常緑樹があって風に吹かれていましたが、その葉の一部の揺れ方が周囲とは違っているのが目に留まり、目を凝らすと、つぶつぶした小さなものが黒い団子状に集まって宙にうごめいています。
クモの赤ちゃんたち! 卵嚢からこぼれ出たばかり!

 黒い団子は、親が作ったものらしい網に絡まっていましたが、よく見ると、その網が逆光に透き通って見えるあたりに、赤ちゃんの一部はすでに最初の脱皮を終えたらしく、透明な抜け殻がたくさんこびり付いています。卵嚢から出たばかりとは言え、そのくらいの時間は経っているようでした。

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転ばぬ先の杖 ステッキを作る


~朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足で歩くものはなんじゃ?~

 私もヒトのうちに属していますから、いつの頃からかしゃがんだ姿勢から立ち上がるのがしんどくなり、やがて何でもなかったものに躓くようになり、このところは普通に歩くのが不安定になってきました。

先ずはステッキを用意しておこうと

 子犬と連れだって近くの公園に行くには、先ずはシンプルな棒状の杖が頼りになるだろうとネットで当たってみると・・・あるはあるは・・・ハイキングステッキとかトレッキングポールとか呼ばれている商品が、それぞれにうたい文句も華やかに、ずらりと並んでいます。

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つれづれ老人のトランプ劇場観劇記


トランプ砲が吼える度に世界中が右往左往し、株が乱高下する。そのタイミングと大きさを予測できるトランプ当人とその取り巻きは、濡れ手に粟どころか札束に溺れるほどの大儲けを繰り返しているのではなかろうか。だから何度でも大砲をぶっ放す。 

・・・ど素人のゲスの勘繰りであればいいが・・・。

       目次
Ⅰ 結論
Ⅱ うらやましい舞台
Ⅲ せっかくの恵みを活かし損ねている
Ⅳ アメリカのさまざまな歪み
Ⅴ 驚くべき富の偏在
Ⅵ それでもアメリカは膨張を続ける
Ⅶ アメリカは何処へ行く
Ⅷ 私たちは何をしているか
Ⅸ 私たちはどうすればいいか
Ⅹ そして結論の結論

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カラスザンショウとメジロ


カラスザンショウ(烏山椒)

 1月下旬、冬も真っ盛りの空が群青の蓋のように硬く見える日のことです。
子犬と一緒に落ち葉を踏みながら山道を行くと、トンネル状に笹竹が迫っていた向こうは明るく開けており、その少し手前に、沢山の小さな実を枝先に残している落葉樹がありました。

 そこにメジロの群れがやって来ています。
 大小の団子状に固まっている実は、カラカラに乾いて口を開けている小さな灰色の果皮が集まっているもので、その小さな灰色の粒の中からさらに小さな黑い粒が顔をのぞかせているように見えます。小枝には鋭いトゲがあるのも映っています。

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「赤とんぼ」の不思議


二つの「赤とんぼ」

「赤とんぼ」というと、〽ゆうや〜けこやけ〜の・・・という歌い出しの曲を思い浮かべる人が多いと思います。
 三木露風の詩に山田耕作が曲を付けたもので、〽十五で姐やは嫁にゆき お里のたよりも絶えはてた・・・などとあって「五木の子守唄」に通ずるような哀れさが醸されるのですが、最後に、〽夕やけ小やけの赤とんぼ とまっているよ竿の先・・・と、静止している赤トンボに想いを凝集させて、トンボの美しさを際立たせています。

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しあわせ続けよう

 

「大きな古時計」のメロディで

平和こそ力。私たちもあと二十年ほどを誤らなければ、内外に誇れる到達となるでしょう。
オリンピックの金メダル何万個、何十万個。そんなものよりもはるかに価値があるみんなの積み上げ。心に新しい力が蘇ってくるような目標です。
「大きな古時計」のメロディでどうぞ・・・。

一 今日はサシミが食べられる  ミカンもあるし
  小さな梅ノ木咲いていて  洗濯日和だし
  夜には娘が来てくれる  明日は働ける
  そのまた次の日も  しあわせ続けよう
  ※百年休まずに行ったり来たり  お前と一緒に行ったり来たり
   そのまた次の日も   しあわせ続けよう

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人なつこい? ウラギンシジミ


熱中症の危険より・・・食い気

 今年(2024)の9月19日(木)、連日の酷い残暑を食い気で乗り切ろうというわけで、私はベランダで豚肉の一塊に煙を掛けてチャーシューに変えてやろうと目論んでいました。

 ふと気付くと、漬け汁の臭いに誘われたのか、燻製鍋の近くに置いたペーパータオルに1頭の小型のチョウがやって来ています。
 翅の裏が、アクリールガッシュ絵具を一刷毛で塗り上げたように、一面に鈍い白色をしていました。…私のうろ憶えによると、この手のチョウはウラギンシジミかヒメシロチョウのどちらかであるはずです。

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自分が嫌いな君へ 幸せてんでんこ

 

安心して良いよ 若者の半分は君のよう
 私と妻も後期高齢の日々をよたよたと送りつつある老人だけれど、実は二人ともかつては君と同じ側のグループに属していた。それが「今が一番幸せだ」と思っている。ボケのせいもあるだろうけれど、そればかりではないと思う。よかったら、お付き合いをお願いしたい。

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この光景 Forever  冬編

 

 何時までも、こうした光景が見られますように・・・。
 思い当たるままに、身近に見られる光景を季節ごとに分けて並べています。
 に続いて、冬の景色として「ツグミたち」「エナガの群れ」「コサギの群」  を挙げてみました。

餌をあさるツグミの群れ
 ツグミは、ユーラシア大陸の北東部のシベリアなどで子育てをし、秋も深まると南下して日本列島などで越冬する、存在感のある中型の鳥です。
 海を渡って日本に到達し、背骨のように連なっている山々を越えるまでは大きな群れを組んでおり(旅の安全のために有利)、冬が深まるにつれて群れを解いてほとんど一羽ずつに分かれて過ごし、やがて北に向かう時期になると再び集合して行動するようになります。
 群れて落ち葉の下の木の実を食べ合っている光景は初冬のもので、夢中になって旅の疲れを癒そうとしているように見えます。

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バン 水かきの無い水辺の鳥


ゆったり 静かな水辺で

「バン」は、ハトよりも少し大き目の「水辺の鳥」で、池や湿地や水田などに棲み付いているのが見られます。
「クイナ」の仲間であるだけに、陸に上がった姿は脚が長くてスマートに見えるのですが、水に浮かんでいる様子はずんぐりむっくりしており、動きもゆったりしていることが多いようです。

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