きりっと締まったウグイス色 真っ白なアイリング
メジロは、ウグイス色の小さな身体がきりっと締まっており、真っ白なアイリングをトレードマークにしています。
ヒナを育てる時には虫を捕らえますが、そのほかはかなり徹底した採食主義者で、ことに花の蜜が大好物です。庭のちょっとした生垣や小さな公園の花木を訪れ、しかも人をあまり怖がらないので、私たちには馴染みの深い野鳥の一つです。
つまり、甘い物が好きなのです。花蜜の他、熟し柿、ミカン、オレンジジュース、砂糖水などに集まることから、「庭に小鳥を」となると早くから訪れることが多く、一番の人気者になりましょう。「梅に鶯」ならぬ「梅に目白」なのです。
メジロの巣
「ほんの玄関先の木にメジロが巣をかけているのを見付けてしまって、びっくりするやら、気がもめるやら…」というのはあまり珍しくなく聞く話です。私も経験したことがあります。
どうしてそんなことが起こるのでしょう。
①あまりヒトを怖がらないというメジロの性格。②ヒトの近くで巣を作ると、カラスやヘビやハクビシンなどの天敵に狙われるおそれが減るという見込み。③庭に植えられている木は剪定されるために枝分れが細かくなっているので、巣を掛けやすい。こんなところだろうと私は思います。
私がほんの玄関先にメジロの巣を見付けたのは、ヒナたちは孵っているどころか、すでに頭に羽毛が生え始めていて「モヒカン刈り」のようになり始めておりました。
ヒナは少なくとも5匹は入っていて、メリメリと大きくなります。それから3日後、5日後を見てください。
ヒナたちは小さな巣からてんこ盛りに盛り上がり、底を踏み破らんばかりになっています。
それでも、それからすぐに無事に巣立っていきました。
空になって残された巣を見てみます。
小さいので驚いてしまいます。簡略そうでもあります。よく言えば風通しが良い、悪く言えば粗雑です。
同じキュート系のエナガの巣を見てみましょう。エナガの巣はクモの糸でコケを細かく絡めて、壺状にどっしりと大きく作られていて、壁も厚く、断熱効果が高いようです。
ということで、ここで「メジロの巣作りはお粗末だ」と決めつけていいのでしょうか。
メジロの巣はお粗末か
玄関わきのソロの若葉の中に作られたメジロの巣を、もう一度よく見てみます。
地面から1メートルほどの高さ、小枝が小さく菱形に交錯した部分を選んであり、巣の縁になる小枝には必要十分なクモの糸を絡めて重みを支えているようです。
巣の壁はやはりクモの糸でくくられており、向こうが透けるほどに薄く見えますが、これで卵やヒナの重みで抜け落ちることはありますまい。クモの糸は鋼線の4〜5倍も丈夫だと言われますから。
薄く作るのは、風通しの良さを狙ってのことなのか、ヒトの近くであるために工事のスピードを図ってのことなのか。
Webで「メジロの巣」と検索すると、写真や記事がいっぱい見られます。
確かであるらしいものを拾って眺めていくと、メジロの巣の共通点が浮かんできます。①草の茎などの材料をネット状にしたクモの糸で繋いで壁にしてあり、②その全体をやはりクモの糸で細い枝にからめて止めてある、いうことになりそうです。
私の見たメジロの巣よりももっと薄くて透けたのもありますし、厚めに編み上げたものもあります。
巣を懸ける場所に応じて一生懸命の工夫が見られ、その臨機応変ぶりは可憐というか、いじらしいというか…。
メジロへのエール
前に、エナガの巣を見ました。エナガは小さな身体に似合わない大きな巣を重厚に作って、表面を木の肌のように偽装し、断熱効果を狙い、高い木の上で子育てをします。
それに対してメジロは、ちょっとした雑木林はもとより、公園で、生垣で、街路樹で…しばしばヒトの家の玄関わきの植栽でも…営巣します。時々の状況に対しての判断と決断がスピーディーで、行動が大胆です。
いじらしい「子気味の良さ」にエールを。
幸い今のところ、メジロたちの判断と決断は間違っていないようで、彼らの個体数は減りつつあるとは見えません。むしろ、年毎に増えているように思えます。頑張れメジロ!
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。
ご無沙汰してすみません。
「いのち はるかに」は次第に難しい記事や私には縁のない野鳥の登場が多くなり、このところ無知な老婆はただ感心して拝読するばかりでした。
八王子は周りに自然環境が残っているせいか野鳥が多くて良いですね!
メジロはうちにも来たことがありますが、愛知でもつくばでも年に2〜3回しか見たことがありません。
今まで画面で見たメジロの巣はあまりにも雑なかんじで、このようにクモの糸で編まれているとは思いもしませんでした。クモの糸は真夏以外は少ないように思いますが、それを見つけて、きれいに採取し、現地へ運んで編み込むという多数の難行をよくこなしているものと感嘆します。
ついでですが息子の庭に架けたシジュウカラの巣箱にはこの春雛が孵り、ファイバースコープまで買って見ていました。
私はまだ鳥のことはわからないことばかりです。またいろいろ教えて下さい。
いえいえ、「無知な・・・」なんて・・・凛として控え目な「夕菅」です。いつまでも。
私が鳥に強い興味を持ちだしてから、いくらも経っていません。
不思議というか、妙というか、当たり前というか・・・。始めの幾年かは、里に行っても、川に行っても、行くところ初めての鳥にたくさん出会うことができたものでした。
ところが、今になって振り返ると「あの鳥があんなところで・・・よく巡り合えたものだ」というような相手が沢山あるのです。
反省として思うのです。はじめは何処でだって、一生懸命に鳥を探します。会う鳥はみんな初めてですから、手の抜きようがありません。少し慣れてくると「こんなところに目当ての野鳥が居るはずはない」とだらけるのでしょうね。次第に出会いが減るのは、初心の気合が欠けてくるせいも大きいと思うのです。
反省して、身近なところをコツコツと大切にします。これがアマチュアの醍醐味なのですから。
息子さんの巣箱では、これから毎年シジュウカラが子育てをすると思います。設置した場所にもよりますが、思わぬ敵がネコとドブネズミとヘビです。ちょっとした「かえし」のようなものを工夫することで守ることができますから、伝えてみてください。
お元気で何よりです。これからもよろしくお願い致します。
昨日の返信の中に、忘れてしまったところがありました。
子育て中のシジュウカラを脅かすものに、もうひとつ「カラス」がありました。
カラスは、自分に悪さをはたらいたヒトを憶えていて、執拗に反撃を企てるというようなところがありますが、その一方で、滑り台で遊んだり、案外に粗雑な巣にガラス玉・壊れたペンダント・イヤリングなどを集めたりといった可愛らしさがないではなく、野鳥ではありますから、自然に悪役とはしたくなかったものでしょう。
けれど、シジュウカラばかりでなく、増えつつあるカラスは小鳥たちにとってかなりの脅威であるのには間違いありません。
何時か歩道を歩いていると、目の前にヒラヒラと鳥の羽根が落ちてきました。見上げると、コンクリートの庇に、カラスが襤褸切れのようになった小鳥を叩きつけていました。
生き物はいい加減なことはしません。
カラス君を避けるにはどうすれば・・・、いい知恵がありましたら教えてください。是非。
再度のご返信 ありがとうございました。
実は昨日私のブログを更新しました。
びっくりなさると思います。「ノスリ・カラス・スズメ」です!
お電話の時お願いしたように、「いのち はるかに ノスリ」をリンクさせていただきました。
図らずもここにご警告いただいたカラスが入っていたのが「また楽し」です。
この辺りにもカラスが群れを為すことがあります。
たしかにシジュウカラの巣に嘴を突っ込まれたら悲劇の可能性がありますね。
息子にも伝えます。ありがとうございました。
おはようございます。
メジロの巣、メジロの生態、一生懸命でいじらしくなんと可愛らしいこと。
動画を拝見すると、びっくりするほど小さい巣で!
赤ちゃんの頭はモヒカン刈り!
そしてひとの住む玄関先に巣を作るという知恵!
先生の以前の記事、メジロの投稿を拝見し、目白押しという言葉がここから来てることを知りまたまたびっくり。
秋が深まってきました。
雪が降る前に野鳥観察に行きたくなりました。札幌では数日前に雪虫が飛んでいました。あぁ、冬がくる合図です。
季節の変わり目です。
どうぞ、ご自愛ください!
おかげさまで、私は川の底からもぞもぞと地上に出ることができました。
ありがとうございます♪
・・・川の底からもぞもぞと地上に・・・
良かったです。頑張りましたね。
けれど、岩魚がいきなり・・・もぞもぞと地上に・・・は困るのですが。元気すぎて。
・・・もぞもぞと流れに・・・からお願いします。はは・・・。
「雪虫」というのは、こちらの言う「しろばんば」のことですよね。「白いおばあさん」のことだと思います。私の故郷では「しろっこ」と呼びました。
あれがゆっくりと舞う様子は、たしかに・・・冬がくる合図・・・をしているようです。井上靖の自伝的小説「しろばんば」を思い出しました。夕方、白いものが舞っている空間のような、全編、詩ですよね。作者自身も「自分の作品のうちで、あれが一番だ」と云っています。
「・・・寒月かかれる針葉樹林・・・人の世の清き処と憧るる・・・」というのも・・・北海道には憧れるものがあります。
お元気で、ゆっくりとどうぞ。