追憶 下駄スケート・国道ボブスレー

スケートといえばスケート靴。金属の刃(ブレード)が丈夫な革靴に取り付けられているというのが当たり前、というよりも、今はそれしかありません。
が、明治時代の末に信州の諏訪湖で「下駄スケート」というものが発明され、長いあいだ山国の子供たちの冬の遊びのアイテムでした。私もお世話になった一人です。
図のように下駄の歯を払って、村や町の鍛冶屋が打った刃をネジ止めしたもの。
鼻緒に足を入れただけでは不安定なので、足首と下駄とを紐を回して固定しました。これが難しかったのです。昔の草鞋掛(わらじがけ)の要領ですが、きつく締めあげすぎると痛い上に血の巡りが悪くなり、ゆるすぎるとぐらぐらして立つのもおぼつかない。案配には慣れが必要でした。年下の子供たちの紐の調子に気を付けてみてやるのが、スケート遊びをする者の慣わしになっておりました。 “追憶 下駄スケート・国道ボブスレー” の続きを読む