昭和50年(19759)の頃、私は東京都府中市にある少年矯正施設に関係しておりました。東京はアメーバのように近郊へ近郊へと侵食を続けていましたが、矯正施設は塀に囲まれていますからスポットのように小さな自然が残されておりました。
その雑木林と果樹園との間で、これまで見たことのない中型の野鳥に出会ったのです。山国育ちの私が知っている「ヤマドリ」や「キジ」よりも小さく、尾も短く、全体にガッシリした感じの美しい鳥でした。ところが、それからはとんと姿を見せません。「幻の鳥・・・ご存知の方はお知らせください」というあやふやなスケッチ入りの手配書を事務所に張り出したものでしたが、情報は一つもありませんでした。
何年も何年もたってから、ようやく再会し、「コジュケイ」という鳥だと知れました。・・・挨拶してもらいます。
幻?まさか でも、あまり見られたくないです
背面は銀色がかった下地に赤みを帯びた褐色の斑。前面は、首に銀色のスカーフ、胸から腹は薄いオレンジ色の下地に黒い斑点。なかなかに渋くて美しい鳥です。目も大きく目立ちます。
大正年間に中国の南部から日本に移入されたものだそうですが、大陸から来たわりには、鳴き声は轟き渡るほどに大きいのに、いたって用心深く、なかなか姿を見せません。「ピック グイ ピック グイ」と鳴くのを日本では「ちょっと 来い
ちょっと 来い」と聞きなしていますが、「お前の方から出てこい」とじれったがる人がいるほどです。
藪の中の地面に巣を作るので、とりわけ警戒心が強いのでしょう。それでもこの頃は、ネコをはじめハクビシンやアライグマが増えたせいか、少なくとも多摩の南部では個体数を減らしています。
台風が去った朝
この夏、何番目かの台風が去った早朝、一方が林に続いている道路で2羽のコジュケイを見ました。ドングリがいっぱい落ちていましたが、これには目もくれず、一緒に落ちてきたであろう虫などをついばんでいたようです。雑食性です。
よく見ると片方の個体には、脚に蹴爪(けづめ)が付いているのが分かります。こちらがオスなのです。このカップルは夫婦なのですが、この時期には4〜5羽の子供を連れているのが普通なのです。若鳥たちの姿は見当たりませんでした。・・・外敵たちの餌食になってしまったかも知れません。このあたりのコジュケイの将来が気になるところです。
もともと、中國南部には「綬鶏」と呼ばれる幾種かの野鳥がいます。「綬」というのは、古く中国のお役人が着物を飾るための手の込んだ紐のことで、同じようなものをスカーフ状に巻いているから「綬鶏」。そのうちでも小さな種類なので「小綬鶏」ということになります。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。
怪我をしているコジュケイ
どうしたらいいのか分かりません
どなたか助けて下さい
あなたがどの地域にお住まいなのか知るよしもありませんが、可哀そうなコジュケイもあなたも、大変な苦痛に合われましたね。
コジュケイは地面に巣を作って子育てをしますから、かなり広い安全な原野が必要なのですが、ちかごろは、ネコ、タヌキ、ハクビシン、アナグマなどが増えて、
コジュケイたちは苦戦を強いられています。
怪我を負ってしまっているコジュケイ。これまで、野生で育ってきているものでしたら、何かしてやろうとしても、恐怖するばかりだと思います。
あなたを避ける力が無くなったにしても、おそらく与えられたエサなどは口にしないと思います。
そっと見守ったまま、お近くの市役所や保健所の市民生活課などに相談してみてください。
コジュケイは美しい野鳥です。見守って下さる優しいあなたに感謝いたします。助けてあげられなくてごめんなさい。
銀色のスカーフ、胸から腹は薄いオレンジ色の下地に黒い斑点・・。
鳴き声は聞いたことあるのですが、その姿は、私にとっても幻となるところを、ここで拝見できて、よかったです。いつか、自分の目でも見ることができたらいいなと思います。ありがとうございました。
先日、大分宇目の山中で
道路でバタバタする
鳥を発見。
ケガをしているようで保護し、車で病院につれていってあげようと。。
ドライブインで休憩しようと
ドアを開けたとたん、
紙袋の中から
一目散に山の方へ飛んでいきました。
血がでていたので
大丈夫かなぁ。と思っていたけど、良かった?ような。。
その子が
みたこともない鳥だったので
気になっていました。
オレンジの首筋に
鳩よりも小さいキジでもない。
コジュケイという事が
このサイトでわかりました。
元気でいてくれれば幸いです
。
写真もとってますが
とてもかわいい鳥でした。
ほんと、元気にしていてくれるといいですね。
保護した時よりも、ドライブインに着いた時の方が、力が戻っていたわけですから大丈夫なのでは。
「一目散に・・・」「オレンジ色の首筋に・・・」というのが、感じが良く出ています。コジュケイは地面で生活して地面で子育てするので、飛ぶのは苦手のようです。
それだけに、猫やネズミに加えて、この頃増えて来たアナグマ、ハクビシン、タヌキなどに狙われて苦戦しているとのこと。
数を減らしているそうです。良いことをしてくれました!
貴方は優しい方ですね。幸せが寄ってきます。