とことん地味ずくめ タヒバリ Ⅱ

タヒバリはセキレイの親類

姿と動作にそれが現われています。
セキレイと同じように、シルエットがスマートで、腰と尾をリズミカルに上下させ、飛ぶときは波を打つような飛跡を残します。

けれど、セキレイたちがどれもすっきりと色分けして装っているのに、タヒバリは徹底して地味づくりです。

そもそも「田雲雀」という名前は、「ヒバリに似た小鳥だがよく田んぼで見られる」ということから付けられているのです。

水辺だけに頼らず、野原や田畑でも安心して動きまわれるようにカモフラージュに専念したので、だんだんに同じような場所に住むヒバリなどに姿が近づき、セキレイからは離れていったのかも知れません。 “とことん地味ずくめ タヒバリ Ⅱ” の続きを読む

渓流の若衆 ハクセキレイ Ⅱ

渓流の若衆

日本の水辺によく見られるセキレイには、キセキレイ、セグロセキレイ、ハクセキレイの3種があります。全体をちょっと見の印象がそれぞれ、黄、黒、白であることからの上手な呼び方で、写真のように見分けは容易です。

どれも流麗な小鳥たちですが、キセキレイには「渓流の貴婦人」と呼ばれるにふさわしい落ち着いた雰囲気があり、セグロセキレイには「渓流の鞍馬天狗」と呼ばれても良いような押し出しがあります。
三番手のハクセキレイは他の2種よりもわずかに小さく、白と黒の羽色の振り分けにも個体によるバリエーションがかなりあるようです。水辺をけっこうに離れた場所でも尾を上下に振りながら盛んに活動しているので、私はハクセキレイを「渓流の若衆」と呼んでいます。

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渓流の鞍馬天狗 セグロセキレイ Ⅱ

日本固有種

日本の水辺でよく見られるセキレイには3種類があり、個体の多さから並べると、ハクセキレイ、キセキレイ、セグロセキレイとなります。
その特性などについては、同じカテゴリーの他の記事を見ていただければ参考になるだろうと思います。

セグロセキレイは、セグロ(背黒)と付けられているように全体に黒っぽいのですが、眼の上と喉を残してしっかりと黒い頭巾をかぶったように見えるので、私は「快傑黒頭巾」あるいは「鞍馬天狗」というあだ名をつけています。

この端正な小鳥は、アオゲラ、ヤマドリ、キジなどと並んで日本固有種なのですが、残念なことに、このところ生息地域を減らしつつあるということです。 “渓流の鞍馬天狗 セグロセキレイ Ⅱ” の続きを読む

渓流の貴婦人 キセキレイ Ⅱ

渓流の揃い踏み

多摩川の河川敷では3種類のセキレイがよく見られます。どれも、私が大好きな小鳥たちなので、それぞれに、私なりのあだ名を付けています。

 キセキレイ(黄鶺鴒): 渓流の貴婦人  
 セグロセキレイ(背黒鶺鴒): 渓流の鞍馬天狗
 ハクセキレイ(白鶺鴒): 渓流の若衆

どれも、スズメよりも少し大き目な身体に尾が長くてスマート。尾をリズミカルに上下に振りながら歩き、大きく波状の飛跡を残しながら飛びます。

互いの見分けは難しくありません。
キセキレイは名前の通り淡い黄色。そのグラデーションが綺麗です。
セグロセキレイは背ばかりか頬も喉も黒いので黒覆面を被ったよう。それで鞍馬天狗。
ハクセキレイは全体に白と印象されるうえに行動範囲が広く、河川を離れた公園や駐車場などでセキレイを見掛けたなら、先ずこれ。上の二種よりちょっと小ぶりな感じで、行動範囲が広く軽快なので若衆。

ハクセキレイはユーラシアとアフリカに広く分布しており、その行動が活発なせいか、このところ数を増しつつあるとされています。キセキレイも生息範囲は広いものの、押され気味。
セグロセキレイは日本固有種で、残念なことに数を減らしつつあるとされていますが、このところの私の印象では、一息ついているのではないかと思われます。

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ウグイス Ⅲ 心ひかれる声 何故?

心ひかれるウグイスの声

いまさら云うまでもありません。
ウグイスの澄んだ鳴き声は昔から人の心を引き付けてきました。
春の景色を謳った有名な漢詩に「千里鶯啼いて緑紅に映ず・・・」とあるとおりです。

こちらが待ち受けていると微妙に間合いを外されたり、喉の引っ掛かりが悪くて不発にずっこけてしまったりすることがしばしばあるので、それがまた、人を引き付けて逸らさないのかも知れません。
調子が乱れてさえも、その音色は澄んでいて、一生懸命ですから、聞いている方が切なくなってくるほどです。 “ウグイス Ⅲ 心ひかれる声 何故?” の続きを読む