渓流の揃い踏み
多摩川の河川敷では3種類のセキレイがよく見られます。どれも、私が大好きな小鳥たちなので、それぞれに、私なりのあだ名を付けています。
キセキレイ(黄鶺鴒): 渓流の貴婦人
セグロセキレイ(背黒鶺鴒): 渓流の鞍馬天狗
ハクセキレイ(白鶺鴒): 渓流の若衆
どれも、スズメよりも少し大き目な身体に尾が長くてスマート。尾をリズミカルに上下に振りながら歩き、大きく波状の飛跡を残しながら飛びます。
互いの見分けは難しくありません。
キセキレイは名前の通り淡い黄色。そのグラデーションが綺麗です。
セグロセキレイは背ばかりか頬も喉も黒いので黒覆面を被ったよう。それで鞍馬天狗。
ハクセキレイは全体に白と印象されるうえに行動範囲が広く、河川を離れた公園や駐車場などでセキレイを見掛けたなら、先ずこれ。上の二種よりちょっと小ぶりな感じで、行動範囲が広く軽快なので若衆。
ハクセキレイはユーラシアとアフリカに広く分布しており、その行動が活発なせいか、このところ数を増しつつあるとされています。キセキレイも生息範囲は広いものの、押され気味。
セグロセキレイは日本固有種で、残念なことに数を減らしつつあるとされていますが、このところの私の印象では、一息ついているのではないかと思われます。
キセキレイ 渓流の貴婦人
端麗です。
気取らないところがあって、無礼を働かなければ、どんどんと近づいて来てくれます。
始めの動画は、餌が豊富であるらしく、ついばむのにあちらこちらと忙しい様子です。
後の動画は、餌があまり見付からないらしく、あっさりと移動しています。
キセキレイを含めて、セキレイたちはどれも、人なつこいところがあるようです。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。