のっそり見えて優れた飛翔 「ノスリ」Ⅱ

ノスリ」については「のっそりノスリ」という題で以前に記事にしたことがあります。ずんぐりしていてのっそり。そんな印象が強かったからでした。
トビほどの大きさの猛禽類であるのに他の野鳥をあまり狙わないことから鷹匠たちから「役立たず」[能なしタカ]とさげずまれ、今でも地方によっては、止まっている時の色合いを馬糞に見立てて「マグソダカ」「クソトビ」と呼ばれることがある・・・これらが私の先入観にあったと思われます。

のっそりノスリ

たしかに、冬の寒風の中、遠い枝の上で獲物を待つ続けるノスリに長いあいだ付き合わされたことがありました。すっと身を細めて乗り出すことがあるので「さてこそ」とシャッターに指を掛けると、また元のずんぐりに戻ってしまうのでした。
また、遠くの林の枝の絡みが祠のように抜けたところに古びた地蔵さまのようなものが見えるのをいぶかしんで拡大して見ると、正体はノスリだったこともあります。に見えるほどにじっとしていることがあるのです。こうしたことから、やはり、ノスリはずんぐりのっそりという印象でした。

華麗な飛翔

この秋、「タカの渡り」が観られることで有名な信州の「白樺峠」を訪ねました。尾根から西をうかがうと白樺の幹の間から近々と乗鞍岳が見え、東には遠く松本平がかすんでいるこの地を、1シーズンで20000羽近くのタカ類が南方に渡り、そのうち4000羽ほどをノスリが占めているとのことでした。
晴天に恵まれた一日をその日の主人公であった「ハチクマ」の渡りで堪能し、次の日、長野県と山梨県の県境に広がる「原村」に移動しました。 “のっそり見えて優れた飛翔 「ノスリ」Ⅱ” の続きを読む