「カワウ」は、1970年代には全国で3000羽以下にも減少してしまい、絶滅してしまうのではないか、と危ぶまれたこともあるようです。その後、河川の水質の向上が進むにつれて魚が戻るとともに増加に転じ、現在は15万羽以上、首都圏だけでも1万羽以上は棲息していると推測されています。
多摩川中流の朝、上流に向かう群れが挨拶します。
おはようございます きれいに揃ってるでしょ
全長80㎝、翼長130㎝。全身ほぼ茶褐色ですが、背中と翼はわずかに赤味を帯びます。黄色をしたクチバシの先が魚を捕えやすく鉤型に曲がっており、水に潜って活動しますから、脚の指の間に水かきが付いています。サギたちには水かきはありません。
深さ10m、持続1分以上の潜水が可能
水中での運動能力を保つために身体全体の比重が高目のようで、下の写真に見るように、水面に浮かんだ姿は、いくらか沈み込ん見えます。そのせいか、飛び立つときには長めの助走が必要で、それも、他の水鳥たちとは違って、両脚をそろえてホッピングしながらスピードを上げてゆくというやり方をします。
ダイサギやアオサギが飛ぶ姿は、ゆったりと空気をつかんでゆくという印象ですが、カワウたちの群れが移動するさまは、エッサエッサと羽ばたきの回数が多く、スピードも速めで、首をまっすぐに伸ばして、せわしない感じがします。飛ぶときも獲物を追うときも、フルスロットルなのです。
狩りの打ち合わせ 配置 集団での狩り 食べる
満腹したあとの中休み
不思議なことですが、カワウの羽毛はあまり水をはじかないようで、このように羽根を乾かすことをよくやります。
多摩川には、それほど魚がいるのか
ごらんのとおりです。大雨のあとに水かさが増してしまったので、水流のおだやかなところに移ってきているとはいえ、ウグイに混じって、若いヤマメらしいものなども混じっています。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。