墨絵のような端正 「ハクセキレイ」

 日本には「ハクセキレイ」「セグロセキレイ」「キセキレイ」の3種のセキレイがいます。どれもムクドリほどの大きさの胴に長い尾をつけていて、20㎝を超えるほどの大きさですから、中型の野鳥といえるのでしょうが、どれも墨絵を思わせるほどに彩りがシンプルであるためか、それほど大きいとは印象されません。まず「ハクセキレイ」に登場してもらいます。

 ハクセキレイです 目を通る黒い線が目印ですよ

 そして3種とも、調子を取るように短く鳴きながら軽々と波状に飛び、降り立ってからも、腰と長い尾をリズミカルに上下させています。3種を見分けるために要点を図にまとめてみましょう。

 「ハクセキレイ」は、「目を通る黒い線、白い頬」が特徴ですが、セキレイの中ではいちばん河川から離れたところまで飛来して活動し、しばしば公園や運動場や車道の脇などで見られますから、私たちには親しい野鳥のひとつとなっています。次の写真のひとつは、草地です。信号待ちや渋滞待ちの時などに、目を和ませてくれることがしばしばです。

 川辺で見るよりも、なんとなく小ぶりに見えるのはどうしてでしょう。行動範囲が広いということは適応力が大きいということなのでしょうが、ここ数年、セグロセキレイとキセキレイを圧倒しつつあるとされています。

投稿者: ロウボウ

長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。 身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。

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