昨年の5月4日、乾上がりかけた多摩川の傍流から必死に本流に脱出し、見事に産卵を遂げたコイの群の様子を見、「川に生きる コイ」という記事にしたことがあります。
5月の第1週は「バード・ウイーク」とされ、小鳥たちの巣作りや抱卵、タカナキやサエズリ、エサ運び、そして可愛らしいヒナたちの巣立ち・・・バードウイークと呼ばれるのにぴったりです。
同じ頃を、どうして「フィッシュ・ウイーク」と呼ばないのでしょう。水面下であるだけに魚類たちの営みは目につきにくく、なんだかぬめぬめした感じが付きまとうからでしょうか。
コイの季節
多摩川のコイの魚影の濃さは知る人ぞ知る!
個体数としては、ウグイやアユなどには負けるかもしれませんが、生体の総重量としては優に凌いでいるものと思われます。バード・ウイークと同じころ、やはり5月の初旬が「コイの季節」ですが、迫力のあるものです
岸辺にほど近い草むらの向こうがモニョモニョ
だんだん草むらの奥に入って来て
ドッタンバッタン
精液で、水が粘っこくなった感じ
コイを楽しむ人たち
多摩川でコイを釣る人は多く、独得の仕掛けを投げ込んだ竿を幾本も並べて待つという釣り方をします。カメラを持った私が近づくと、「いま、キジがすぐそこを通り過ぎて行ったよ」とか「このあいだ、オオタカがドバトを食い散らかしていたよ」などと話してくれることがあります。コイを釣る人は時に日陰を作ってジッと待っていますから、思いがけない野鳥を見ることとが多いのでしょう。私の知る限り、引きを楽しんだ後はコイを川に戻しています。
まだまだ汚れている多摩川
アユのためにも、他の魚たちにとっても、そしてヒトのためにも、川はもっともっときれいにしたいものです。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。