6月の早朝。カワウ、ダイサギ、アオサギ、コサギ、それにカラス。役者の揃い踏みのような大宴会を見ました。
カワウ 続々と飛来 集合 整列 待機
日の出すこし前の多摩川を上空から眺めると、流れのゆったりした個所や淀みは巨大な黒い蛇のようにうねって見え、瀬となって広がっているところは、すでにしらしらと浮き上がって見えることでしょう。
「今日の朝食をどこでとろう」と誰が狩場を決めるのかは分かりませんが、下流から飛翔してきたカワウの隊列が高度を下げて、少しためらうように旋回を始め、やがて岸近くに着水します。そうしたところには、前もって1・2羽のダイサギやアオサギが目印のように立っていることが多いような気がしますが、カワウたちがそれを指標のように利用しているのかどうかは分かりません。
1群が着水すると、上を通過ししようとしていた他の群れもつられるように反転し、岸辺の数はどんどんと大きくなってゆきます。
多摩川の中流に不思議な崖があって、朝の最初の日の光を受けると、ほんのしばらくのあいだ金色に輝くのです。
川を遮断するように展開
群れはかなり長いあいだ、無言のままじっとしています。どういう合図なりがあるものか、やがてカワウたちは端から動き出し、川を遮断するように展開します。逆光の中で、その影は美しく映えます。
カラスまでが加わって待機
カラスはとりわけ早起きで、朝も薄暗いうちから活動を始めますが、それにしてもどのようにして嗅ぎつけるのか、はやくも結構な群れになって参列に及びます。逆光と薄光のためにカワウと間違えそうですが、クチバシや脚の格好などから判別できます。
宴の開幕
「かかれ」の合図が発せられたかのように、にわかにカワウたちは潜水を始めます。それを見たサギたちが「や、はじまった」とばかりに身を乗り出します。そして「ドンチャン騒ぎ」というか「飲めや歌えや」というか・・・カラスも盛り上がっています。
宴のあと
コサギがおこぼれにあずかっています。身体に比べてアユが大きく見えます。黄色の靴下を履いたような足で、コサギと分かります。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。