空飛ぶエビ?
まず、1枚のスナップ。奇妙な色をしたエビが空を飛んでいるように見えませんか?
ホバリング!
長い吻を伸ばし(花に前翅の1本をそっと添えていることが多い)、空中に静止して蜜を吸い上げ、花から花へ、スピーディーに移動してゆきます。まるでハチドリのようです😏。
これを1/2000のシャッタースピードで捉えると、透き通った翅がはっきり固定されることがあります。羽根が透明ですから、ハチドリではないことが分かります😊。
スズメガの一種 「オオスカシバ」
「オオスカシバ」は「スズメガ科」というグループに属する「ガ」の一種です。漢字では「大透翅」と表記されます。これで、命名の意味が分かります。
有名な「ホウジャク」と同じように、ホバリングをして蜜を吸うので、「散歩中にハチドリを見た」と通報されることがあるのは無理もありません。オオスカシバの全長は30㎜前後、最小のハチドリは60㎜ほど。大きさに差があるものの、オオスカシバが忙し気に動き回る様子には、けっこうな迫力があります。
体の背中は黄緑色。腹部のなかほどに赤い帯、その前後に黒帯。胴の末端に黒い毛の束。
止まっているオオスカシバ
フヨウの大きな花に止まっている1匹と、ツツジの葉に止まっている1匹。
芙蓉の花から蜜を吸うのに、ホバリングする必要はないわけです。足場がしっかりしていますから。
ツツジの葉の方は、つと降り立って長いあいだ動きませんでした。蜜で腹一杯になったのか、活動に疲れたか、小休止というところでしょう。ホバリングしながら前後左右に移動し続けているわけですから、取り入れるエネルギーも多いのでしょうが、消費も大きいと思われるのです。
不思議 トンボも
ここで思うのは、トンボの飛翔能力です。ヒラヒラでもブンブンでもなく、スイスイと前後左右を自由自在に飛翔します。あの滑らかさ。それでいて、トンボが食事をしているのは、あまり見たことがありません。
近くの公園で見かることだけでも、昆虫の世界は驚異に溢れています。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。