イギリスやロシアでも・・・スプーン おたま  「エナガ」

春先のある日、里山で薪割りの作業をしていると、ことさら小さな小鳥が近くの古木の根元に来ては、しきりに何かをついばんで行くのに気付きました。巣の材料を集めていたのです。「エナガ」という小鳥をそのとき教えられました。挨拶してもらいます。

ちょっと恥ずかしいかな・・・エナガです

ふわふわしてマシュマロが飛び回っているようです。体長は14cmほどありますが、半分は長い尾が占めているので、体重はわずか8gばかり。同じぐらいの体長を持つスズメが24gあるので、その軽さ加減が分かります。

「ひよこ菓子」のようにずんぐりした首。大きな瞳と小さなクチバシ。清潔そうな色合い。これが「チュリリ チチ ジュリリ」と控えめに鳴き交わすものですから、たれもが「可愛らしい!」とゆうわけで、ファンになるようです。
チョンとくっついた小さなクチバシから知れるように、「アブラムシ」が大好物なので、ちょっとつついては次へ、ちょっとつついては次の小枝へ・・・たいそう目まぐるしく動きます。写真に収めるには手ごわい相手です。

長いばかりじゃない 立派でしょ

小枝の先から先へと移動することがおおいのに、どうしてこれだけ立派な尾羽が必要なのか、私には分かりません。

巣を見て

木の幹が三つ又に分かれているようなところに、コケを集めて袋状の巣を作りますが、これがなかなかに凝ったもので、外側をクモの糸で補強し、内側を羽毛や毛糸クズなどを敷きつめて、大きく暖かく、丈夫に作られています。その精巧さから「タクミドリ」と呼ばれることがあるそうです。その中に10個以上もの卵を産むことが多いようですが、ヒナの生存率は高くなく、17%という報告があることから知られるように、モズやカラスやヘビといった天敵に襲われることを想定しての知恵であろうと思います。
また、原則的にはオス・メスのつがいで子育てをするものの、群れの中でそのシーズンの繁殖に失敗した仲間たちが、丈夫に育っている他人のヒナのためにエサを運んでくる習性があり、小鳥の「ヘルパー活動」ともいうべきユニークさで、これも人の共感を呼んでいます。

アブラムシのほか、昆虫、幼虫、クモ、草のタネなども食べ、けっこうほっそりして見える場面もあります。
名前の由来は、柄杓(ひしゃく)の長い柄に見たてて「エナガ」というわけです。イギリスではこの小鳥のことを「スプーン」、ロシアでは「おたま」というのだそうです。どこでも印象は同じなのですね。
最期に一つ。「エナガ団子」というものを知っていますか。巣立ったばかりのヒナが、小枝にびっしりと身を寄せ合って親たちが運んでくるエサを待っている様子を言うのだそうです。たいそう可愛らしい団子だろうと想像するのですが、私はまだお目に掛かったことがありません。

 

投稿者: ロウボウ

長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。 身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。

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