ずんぐりシルエットに蝋色のクチバシ オラオラ顔
尻尾の短いずんぐりしたシルエットは、全体にキツネ色と印象されます。
スズメをひとまわり大きくしたほどのサイズに、ひときわ立派なクチバシを備えており、それが蝋のような色をしていることから「蝋嘴鳥(ろうしょうちょう)」とも呼ばれています。
「シッ シッ」と聞こえる地鳴きに、鳥を表す接尾語の「メ」をくっ付けたのが名前の由来です。
秋の終わりに、「ツグミ」や「イカル」と同じように北から渡ってくるのですが、早々に群れを解いて、冬は単独で過ごすことが多いようです。
黒く縁どられた鋭い目のせいもあってか、せっせっと落ち葉を跳ね飛ばして木の実を掘り出そうとしている様子は、塹壕を掘る歴戦の兵士のように真剣そのものです。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。