名の由来を知ったら もう忘れない 「キンクロハジロ」

金・黒・羽白 

キンクロハジロ」は冬によく見られるカモの仲間です。はじめてキンクロハジロと名前を教えられたときは「え、なにそれ」と聞き直してみたいほどに奇妙な感じを受けます。けれど、その由来はなんということはなく、金色の目、黒い体、白の目立つ羽、ということから「金・黒・羽白(きんくろはじろ)」なのです。もう忘れようもありません。たしかに、翼を広げると白が目立ちます。オスに登場してもらいます。

 そして、ただのカモではありません。水の中に潜って採餌します。普通は2m、15sec前後ですが、10mの深さに潜水できるという観察があるようです。カワウのように魚を捕まえるほどのスピードはありませんが、水底に潜むシジミなどの二枚貝は大好物のようで、殻ごとバリバリと食べてしまうというカモばなれしたところがあります。頑丈な嘴をしてますね。次はメスです。

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トビよ

 

トビよ 

 

  トビよ
  お前の脚に絡んだものを

  太陽にとどけてくれ
  
  どこまでも飛んで
  どこまでも飛んで
  翔ぶほど 輝きを増す中へ
  さらに翔んで

  伝えよ
  蒼い惑星は 誰に滅ぼされたかを

  トビよ
  われわれを呪うのではなく
  憐れんでくれ
  いつまでも

  トビよ
  わたしも直ぐ後ろから行く
  その終焉の輝きの中へ

 

私のアオダイショウ

 木曾谷はV字型に切り込まれているので、谷底の川に沿ってならんでいる民家は、どれも斜めの地盤を削るようにして作られている。私の家も、階段状に組み上げられた幾つかの土蔵の上に乗ったものだった。
 その土蔵の中に独りで入って行くなどという振る舞いは、幼い私にはおよびもつかないことのひとつだった。暗がりと奥深い棚の奥。すえた臭い。そこらへんが化け物の巣にちがいなかった。
 そう思い込んで一歩を踏みこめば、端々からもう、こちらをためている化け物どもの目のぬめりや、ひっそりした息づかいがわかる。生暖かい空気がかすかに揺らいでいるようである。いつだったか祖母が、「アオダイショウ」の見込みのありそうなのをひとつがい、お百姓に吟味してもらって蔵のなかに放したのを、私はちゃんと憶えていた。 “私のアオダイショウ” の続きを読む