まるで礼拝堂に迷い込んだように
数年前、木の芽が動き始めるかという早春の頃。
とある林の中に踏み入って・・・足が止まってしまいました。
木々たちが歌っている!
控え目で優しい音色が、林全体を包み込んでいたのです。
重なり合った枝の中に、何羽かのイカルが見付かりました。
灰色の全体に、烏天狗のような巨大なクチバシ。そのクチバシは黄色。太めのムクドリといったドスノ効いたシルエット・・・見間違いようもありません。
春のBGM・・・まさか。これがこわもてのイカルたちによって奏でられているとは、その時は気付きませんでした。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。