近くの紅葉と残り小柿 訪れる小鳥たち


近くに小さな公園があり、そこへは幅一メートル半ほどの急な坂を上って行きます。坂を上り切るかというあたりに一本のひょろりとした柿の木が立っていて、この年はどういうわけか、ピンポン玉より少し大きいほどの小柿を沢山実らせました。秋が早足で進んだせいか、この近辺の紅葉も例年よりも鮮やかでした。

 公園に向かう坂道は、近辺の学校に通う学童、多摩モノレールの駅へ近道する人、グラウンドゴルフを楽しむシニアのグループ、それにそうそう、強豪で知られるT大学ラグビー部の屈強な面々(真っ黒に焼けて冬近くまでTシャツとハーフパンツ、にこにこして子犬に挨拶してくれる)などに結構に利用されます。人気にもかかわらず、道の上に被さるような小柿を多くの小鳥たちが訪れました。見かけによらず味の何かが好ましかったのでしょう。

なんといっても 先ずはメジロ
 一番手は、なんと言ってもメジロ。甘い果実や果汁好きということでは定評があり、ここに載せた動画でも、ねっとりして見える赤い果肉をさらうように食べ続けています。マナーが良いのです。次から次へと実をつつき廻すということをせずに、ひとまず満腹するとあたりの林で腹ごなしをして来て続きを食べるといった様子がうかがえます。群れを成していることが多いのですが、みんな上品です。


次いでこわもて野武士風 ヒヨドリ
 ぐんと小さく見える果肉を引きちぎるように食べています。
 ヒヨドリはメジロの3倍はあろうかという体格で、クローズアップすると「なるほど鳥類は恐竜の直系の子孫だな」と納得させられる迫力を放っており、それにふさわしく優れた飛翔能力を備えていて、少なくとも里山では他の野鳥を圧倒しているように映ることがあります。それでいてどちらかというと菜食主義者であるようで、冬も押し詰まって木の実を食べ尽くしたとなると、畑のハクサイやブロッコリー、伸び始めたエンドウの芽などを荒らすようになります。


けっこう美味しそうに シジュウカラ

 お馴染みのシジュウカラも雑食性ですが、動物性のものか堅い実を好み、早春に咲くウメやモモに来ることがあるものの、常連客のメジロが花蜜を吸い集めているのに対して、よく見ると、その頃に動き始める枝先のアブラムシなどをつついていることが多いのです。やはり春先に咲くコブシに集まったヒヨドリが柔らかな花弁をむしゃむしゃと食べていることがありますが、シジュウカラの目当ては花の付け根の虫なのです。
 ここでは、ちょっと味見に寄ってみた風ではなく、本気に食べています。この小柿は特別な風味があるのでしょうか。


珍しく コゲラ

 コゲラも雑食性ではあるけれど、最も小柄なキツツキとは言え、やはり木をつついて虫をほじり出して食べるのが普通です。エナガ、メジロ、シジュウカラ、ヤマガラなどと混群を作り、そのしんがりを務めながら移動して行くのがしばしば見られるように、他の野鳥たちが集まるところに魅かれるようです。エナガが枝先に、ヤマガラが小枝周辺に、シジュウカラは何処でも屋さんですが、・・・木々や林を群れが取り囲むと虫たちがパニック状態になるので、鳥たちが餌を見付けやすくなるから混群をなすのだろうというのが私めの推測です。キツツキにしても虫を掘り出し易くなるのでしょう。シベリアから渡ってきたばかりのツグミの群れが残り柿に群がっているところに、大型のキツツキであるアオゲラが顔出し程度にやって来たのを見たことがあります。
 この残り小柿にやって来たコゲラは、口直しやデザートというよりも、メインディッシュのような勢いで食べています。珍しいことだと思います。

 野鳥は大体が雑食性ですが、ここに登場する小鳥たちを樹液や果肉を好む順に並べれば・・・メジロ>ヒヨドリ>シジュウカラ>コゲラ・・・となりましょう。
 残り柿がすっかり落ち切ると、いよいよ冬本番です。