冬枯れの林の中で
冬枯れの林の中で、下生えの雑草がきれいに色付いているのを、しゃがみこんで見ていた時のことです。
ひらりと動くものを感じたので、ふと目を上げると、私は結構に賑やかなエナガの群れのただなかに居たのでした。
私を包み込むように、ひらりひらり。あちらでもこちらでも。
エナガたちは絡みついて霜枯れている蔓の葉を、一つ一つ入念に品定めをしているように見えました。虫の卵などをほじくり出しているのでしょう。
それぞれ勝手に飛び移っているようでいて、群れ全体は一定の方向に一定のリズムで移動しておりました。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。