空飛ぶ子ネズミのように見えながら・・・ 「セッカ」

長めの尾を入れても12㎝といいますから、スズメよりも一回り小さな小鳥です。小さな体が、淡い褐色の下地に黒褐色のまだら模様という地味な装いをしているので、ススキの茎に止まって朝風に羽根が逆立っている様子などは、いよいよ心細く見えます。

よくとおる澄んだ声で「ヒッ ヒッ ヒッ」と鳴きながら上昇し、「ジャ ジャ ジャ」とすこし濁った声で下降します。小刻みに羽根を動かしていますが、その割に、空気をつかんで飛翔するという感じではなく、おおぎょうに言うと、溺れているという印象を受けるほどです。

長めの脚がピンク色であることからも、同じように手足の指がピンク色をしているイエネズミを連想させ、「空飛ぶ子ネズミ」というわけです。ちょっとわるいかな・・・ネズミ君にも・・・。

ところが、セッカはなかなかのものなのです。
鳥の仲間には珍しく一夫多妻制で、オスは草の中に洋ナシのような形をした巣を作り、同じ小型の小鳥であるエナガと同じようにクモの糸で補強しますが、これが完全に完成しないうちにメスを呼び込み、あとは一切メスに任せて、自分は次の場所で巣作りを始めるというふうに、行動の範囲はたいそう広いのだそうです。昆虫やクモ類を食べます。

低いところに巣をつくるので、天敵の犠牲になる卵やヒナも多いらしく、そのために、巣も卵もたくさんセットするのでしょう。
さらには、生まれたその年のうちに繁殖するメスがあることが知られており、鳥類では例がないことと注目されています。

このようにして、小さいながらも、アフリカ、ヨーロッパ、東南アジア、中國、オーストラリア、そして日本、と広域で棲息するという逞しさを備えているのです。

 

 

ロウボウ

投稿者: ロウボウ

長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。 身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。

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