日本と北欧と世界 日本だってやれるぞ!  そのⅧ なぜ日本は「最高の国ベスト3」に入るのか

この記事は「日本と北欧と世界 日本だってやれるぞ!」を下のように分割したものの、そのⅧです。

そのⅠ ある中年カップルとの会話
そのⅡ 自然災害と天然資源
そのⅢ 来た道 似たところと違うところ
そのⅣ 自然との向き合い方について
そのⅤ デザインについて
そのⅥ 世界の目と自身の目
そのⅦ 日本の今の豊かさ 「貿易立国」から「投資立国」へ
そのⅧ なぜ日本は「最高の国ベスト3」に入るのか
そのⅨ 北欧よりも日本にあるもの
そのⅩ まとめ
そのⅪ 私の精一杯の提言

そのⅧ  なぜ日本は「最高の国ベスト3」に入るのか

「日本は世界最高の国第3位」と聞かされると、「異様に高いランク付けだ」「この程度の社会でベストスリーなら、世界は恐ろしく住みにくいことになるが・・・」と実感とのズレを覚える人が少なくないだろうと思います。現に毎年、次のような日本のランキングが発信されています。いずれも低い順位です。
これらを知らされるのは辛いことですが、避けてはいけないものだと思います。

幸福度ランキング2020(国連):156か国中62位
子供の幸福度ランキング2020(国連):38か国中20位
男女平等ランキング2020(世界経済フォーラム):153か国中121位

幸福度ランキング
前の記事でも触れました。数字で測定できる項目では上位にランクされるのですが、人生や日々の生活に対する主観的な評価が目立って低いために順位が低迷しています。
子供の幸福度ランキング
肥満度や死亡率などから算出された「身体的健康」は1位であり、学習の習熟度も高く評点されるものの、15歳時点での生活の満足度などから算出される「精神的幸福度」は38か国中ほとんど最下位の37位となっています。「新しい友達を作る」といった社会的スキルなどについても自信に乏しいところが窺えます。
いずれにしろ、身体面1位に対して精神面37位というのは、日本の子供の心はどうかしてしまったのかと危ぶまれるほどに極端な落差です。
男女平等ランキング
これにも大きな特徴があります。14項目で算出されているところ、はじめの4項目である出生数・識字率・初等教育就学率・中等教育就学率まではどれも男女間に差は小さく、ランキングも立派に1位なのです。
ところが、成人を迎えるころからガクリと男女の差が開いてきます。大学と大学院就学率・就労率・類似労働における賃金・推定勤労所得・専門技術労働者数・管理職労働者数・国会議員数・閣僚数・女性国家元首の在任年数(直近50年間)・平均寿命の男女差のそれぞれについて男女の開きは大きく、これらが総合ランキングを下へ下へと沈めて惨憺たる結果になっています。

男女平等ランキングでも、北欧勢がズラリと上位を占めています。「ヴァイキングの時代から女性戦士は有名なんだから仕方がないか」とか「この調査は単純に男女の差だけを出してる。固有な文化面も勘案してくれないと・・・」などと僻んでみるのですが、日本の後進ぶりは明らかです。女性の能力を出しきることができれば、この国はダブルスコア的に強く深くなれるはずです。考えなければなりません。
子供の幸福度ランキングについても、これを押し下げているのは子供たちの主観が大きいとはいえ、今まさにその主観で子供たちは不幸を感じており、例えばイジメなどが横行するといわれる学校に怯えているとすれば、真剣に考えなければなりません。白地のキャンバスを持って生まれてくる子供たちに、色付けしているのは私たちなのですから・・・。

世界ランキング3位

子供たちの白地のキャンバスを大人が灰色に塗り上げてしまっているとすれば、まず、私たち自身のものの捉え方が灰色一色の筆であってはいけないのです。
日本について、次のような捉え方もあります。

ウォーレン・バフェット氏は「投資の神様」とか「賢人バフェット」と呼ばれることのある米国人で、資産7兆円にもなるという世界4番目の大富豪でもあります。読書家としても著名です。
90歳になりますが、株主総会には単独で何時間でも質問に答える知力と体力を保っており、大富豪でありながら、その生活ぶりが簡素であることが広く知られています。マクドナルドとコカコーラのファンで、スーツもメイドインチャイナ、最近になってガラケイをアイフォンに持ち替えた、という按配です。
アメリカの大手企業の強い銘柄株を長期に保有するという堅実な投資法を基本にしており、「人類で最も幸福な1%に含まれている人ならば、残りの99%の人々について考える責任があるのです」と言うとおり、資産の大部分(85%とも)を慈善活動に寄付しています。どうも、ものすごい人です。

そのウォーレン・バフェット氏が、コロナ禍の2020年8月、日本の5大総合商社に6600億円もの投資をしました。三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・丸紅・住友商事の株をそれぞれ5%超えまで取得したのです。
その際のバフェット氏のコメントは、「5大商社は世界中で多くの合弁事業を手掛けており、こうした取り組みをさらに増やす可能性がある。将来、相互利益の機会が生まれることを期待している」というものでした。
コロナ後の世界経済を見据えて投資の分散を考えたとき、「商社」をはじめとする日本の投資のやり方に注目したものと思われます。

それに先立って2020年1月、米国の時事解説誌「USニュース&ワールド・リポート」が、「世界最高の国ランキング2020」を発表しました。同誌がペンシルベニア大学と共同で、世界36か国の計2万人を調査して、73か国をランキング化したもので、9つの項目から評価されています。
そこでは、1位スイス、2位カナダ、3位日本と位置づけされており、4位ドイツ、5位オーストラリア、6位イギリス、7位米国、8位スウェーデン、9位オランダ、10位ノルウェーと錚々たるメンバーが並んでおります。極度に圧縮して要点を見てみます。

1位スイス
政治的中立性がもたらしている多様な文化構成が高く評価され、法人税を低く設定して外国からのビジネスの参入を容易にしており、特許登録件数が多いことからうかがえるように企業を運営しようとする志が高く、その上で、生活の質は高く、市民の権利も高く保たれています。トップというのはうなずけるところです。
2位カナダ
多文化主義的な政策には定評があり、ビジネスの開放度高く、オイルをはじめ天然資源に恵まれている一方でハイテク産業が盛んです。生活の質も市民の権利も高い水準にあります。
3位日本
イノベーションや技術的専門知識、熟練労働力、十分に開発されたインフラ、透明性のあるビジネス慣行など、企業の運営を成功させる要因である「起業家精神」という項目が高評価。次いで、海外投資の旺盛、技術力、識字率の高い勤勉な国民性などが支えになっている「発展可能性の力」という項目が高スコア。特異な生活様式と発信、伝統芸術、和食など「文化的影響力」が高得点。そして、世界3位の経済規模、自動車や電子機器などのブランドが支える「経済・政治的影響力(国力)」も高評価を挙げています。
実は、9つの評価項目にはそれぞれに「重み付け」がなされており、ここで上げた「起業家精神」「発展可能性」「国力」は、比重が重いものばかりです。こうした項目で好スコアが付けられれば総合ランキングが上がりやすいわけで、日本の上位ランクは、そうした仕組みに依っています。
「重み付け」が高いにもかかわらず日本が得点を逃してしまっている項目の一つに「ビジネスの開放度」というのがあり、法人税率が高いことが主な原因なのでしょうが、香港が不安定になっている時勢から、行き場を探している大きな資本を招き入れることを難しくしてしまっているのは残念なことです。
高得点が得られていないその他の比重の高い項目に、「生活の質」と「市民の権利」があります。
4位ドイツ
量質ともに高い労働力と経済力、輸出入のリーダー、通信・医療・観光の盛業、などが評価されています。
5位オーストラリア
豊かさと生活の質の高さ、主要都市の住み易さ、同性婚や環境に関する進歩的な法律など。
6位イギリス
国際金融センターというべき大規模な銀行、観光産業、芸術と科学への大きな貢献など。
7位米国
旺盛な起業家精神、大きな経済と政治からなる国力、トップレベルの大学群、総合的影響力ナンバーワンなど。
8位スウェーデン
市民の権利、生活の質、公共サービス、教育・医療制度、持続可能性へのコミットなど。
9位オランダ
市民の権利、寛容さ、同性婚を合法化した最初の国、32000㎞に達する自転車専用道路などに象徴される生活の質。
10位ノルウェー
市民の権利、生活の質、豊かさ、有数の石油輸出、高等教育おおむね無料など。

いずれの項目も数字に基づいて評価されており、その総合ランキングもそれぞれの国の特徴が良く捉えられていて、なるほどと頷かされるものです。
日本はかつての「貿易立国」から「投資立国」に脱皮しつつあり、それに成功しつつあるのだという視点に立つと、このように日本は世界屈指の国なのです。

ロウボウ

投稿者: ロウボウ

長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。 身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。

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