「モンシロチョウ」=「紋」「白蝶」
私は長いあいだ、「モンシロチョウ」を「モンシロ・チョウ」と思い込んで不思議に思っていました。「紋は黒いのに、どうしてモンシロというのだろう」というわけです。「モン」の付いた「シロチョウ」のことだと分かったのは、つい最近のことです。
よく見ると 可憐できれい
普段、「十円玉2枚と一円玉2枚ほどの翅を付けた蝶がふわふわしてる」ぐらいにしか映っていませんが、よく見ると、なかなかに可憐な生き物です。
私たちにはほとんどオス・メスの判別ができませんが、紫外線を当てるとメスの翅は白く、オスの翅は黒く見えるのだそうで、紫外線を可視できるモンシロチョウたちには、オス・メスがはっきりしているわけです。
せわしない生のサイクル
卵~幼虫~アオムシ(4回の脱皮)〜蛹(脱皮)〜成虫~。最終の成虫の段階はわずかに2〜3週で、この間に交尾産卵。このサイクルを回すこと、年に4回、気候によっては7回。
食物は「アブラナ科」の植物。キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ハクサイ、コマツナ、チンゲンサイ、ダイコン、カブ、ラディッシュ・・・。
天敵の多さ 逞しさ
天敵は多く、鳥、カマキリ、トンボ、ハチなど。ことに幼虫の体内に寄生して宿主を食い荒らすハチ類が多い。なかでもアオムシコマユバチは脅威で、幼虫の多数(半数以上)が犠牲になるとされています。
それでも、「そうでもなければモンシロチョウだらけになってしまう」と云われるほどに逞しく、上に挙げたような野菜の栽培に付いて広がり、ほとんど世界中に進出して繁栄しています。
はかなさと逞しさの象徴
唱歌があります。
ちょうちょう
ちょうちょう ちょうちょう
菜の葉にとまれ
菜の葉にあいたら 桜にとまれ
桜の花の 花から花へ
とまれよ遊べ 遊べよとまれ
以前には全く感じられなかった「はかなさといじらしさ」のようなものが、今の私には感じられます。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。