つかず離れずのマイペース 「キジバト」

独特な鳴き声は里山の呼ぶ声

「デデ・ポポー、デデ・ポポー♪」という柔らかいリフレーンは、誰にもおなじみのものでしょう。喉で鳴くというよりも腹を響かせているというふうで、独得な柔らか味とおっとり感があります。ブドウ色の胸やウロコ模様の背中の印象が「キジ」に似ているというので「キジバト」。首の青と白のマフラー、目の周りの赤いラインも特徴です。
「ヤマバト」とも呼ばれます。

「イエバト」との違い

「キジバト」と良く混同される「イエバト」は、またの名「ドバト」、またの名「カワラバト」。色合いが個体によって様々であること、鳴き声が「プルッ・プー♪」であること、キジバトと違って良く群れること、などで区別されます。
 最大の違いは、「イエバト」は神社や仏閣や中高層団地などのちょっとした隙間を好んで住み着くということです。そのしつこさというか執念は有名で、たとえば防鳥ネットの隙間から入り込んで、その内側を保護された空間としてぬくぬくと利用する、というようなところがあります。エサも参拝客や観光客のおこぼれをあてにするというふうに、ヒトの営みに密着しています。

公園で群れる「イエバト」」
それに対して、「キジバト」はヒトとの距離がほど良く、ひっそりとして、近寄り過ぎずにマイペースといったふうです。

「キジバト」の表情さまざま

「デデ・ポポー♪」というキジバトのリフレインを聞くたびに、きまって私には、遠いある日の情景が思い浮かんできます。木洩れ日の山道を、亡き祖母に手を引かれながら、幼い私がエッチラオッチラ歩いているのです。

投稿者: ロウボウ

長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。 身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。

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