ミズスマシ? アメンボウ?
アメンボウとミズスマシ。どちらがどちらやら・・・。「アメンボウ」の漢字表記は「水馬」。これが「ミズスマシ」と読まれることがあるので面倒なことになっています。和歌や俳句、それに地域によっては「アメンボウ=水馬=ミズスマシ」と混乱してしまうことがあります。図鑑では次のようです。立派な図解も付けました。
アメンボウ:
末端に毛が密生した脚で、表面張力を利用して身体を水面から持ち上げて滑走する。ときには跳ね上がる。水に潜ることはない。獲物に針のようにとがった口を突き刺して消化液を注ぎ込み、溶けた体組織を吸い込むという独特な栄養の取り方をする。肉食である。捕らえるとアメのような臭いを放つというのが名前の由来。
ミズスマシ:
黒豆のような光沢のある1センチ前後の甲虫。水面に腹ばいに浮いて素早く旋回しながら捕食する。肉食である。水に潜れ、空も飛べる。
水すまし 水に跳ねて 水鉄の如し 村上鬼城
水すまし 平らに飽きて 飛びにけり 岡本眸
水馬 流れんとして 飛び返る 正岡子規
うち明けし あとの淋しさ 水馬 阿部みどり女
俳人は、ミズスマシという響きと、水の上を跳ねる虫の方を好むようです。それで、揃って組み合わせを間違ってしまっています。言葉の響きを大切にしたいための確信犯なのでありましょうが、写生としてはあってはならないことです。
日の出直後の「アメンボウ」 水面の照りの中
のっそりとお日さま
明けの空を上流に向かうダイサギ
ハグロトンボ 朝のご機嫌伺い
コヤマトンボ しっかりと朝日を受けて
そして 黄金の中の「アメンボウ」たち
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。
ミズスマシ も アメンボ-も
スイスイ行く推進力は なんですか
足に何か有りますか?
ありがとうございました。
なるほど、なんとなく分かっているいるような気になっていました。
アメンボウのほうは身体にも脚にも油気があり、表面張力を利用して身体を浮かしており、前に進むには、長い脚をオールのように使って水を掻くのだそうです。足の先にはとりわけ細かい毛が密生していて、水を押しやる効率を高くしているようです。
ミズスマシの方はぐんとユニークで、短いながらも中脚と後脚とをスクリュウのように回転(50回/秒)させて、水面であれ、水中であれ、高速で前進するのだそうです。
両方とも空中も飛べます。ミズスマシに至っては、水上、水中、空中を活動できるわけです。昆虫はものすごいですね。ヒトが教えてもらいたいことが沢山あります。
いよいよ御健勝で!