5月上旬の多摩川中流。離れた中洲の向こうの瀬で、野鳥の小さな群れがくつろいでいるのを見付けました。初夏の陽光のきらめきが、無数のシャボン玉のようにあたりを取り巻いており、ファインダーの中は四角に切り取られた夢の世界のようでした。望遠レンズの醍醐味は、こういうところにもあります。
クサシギ
遠い望遠のうえにピントが甘いようですが、シギの仲間、偶然に一緒に写っている一羽のカルガモと大きさを比べると、「クサシギ」のようです。
中型のシギで、秋に渡来して初夏まで見られます。「クサシギ」という名前の通り、海岸の干潟にはあまり行かずに、沼や池のほとり、つまり沼沢地を好むようです。ヒトは見慣れているはずなのに警戒心が強く、ヒトを寄せ付けずに舞い上がり、甲高い声で「ピッチューイ ピッチューイ」と鳴きます。普通は単独でいることが多いようですが、繁殖のために北に向かう前に小さな群れになり、ここ多摩川の中流で一休みというところでしょう。
クサシギ? イソシギ?
この近くで、冬の最中の2月初旬に撮られたものがあります。正直にいうと、私にはイソシギとクサシギとの区別が付けられないことがあります。大きさが分かるといいのですが・・・多分、クサシギでしょう。見分けられる方が居られましたら、教えてください。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。