昔からのおなじみ
雑食性の夏鳥です。
万葉集に「近江の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのに古思ほゆ」と柿本人麻呂に詠われており、清少納言の枕草紙にも「千鳥いとおかし・・・」とあるように、千鳥は昔から身近なもののようです。シギの類と合わせると、何がチドリで何がどういうシギやら、正直、私には分かりません。
特徴あるコチドリ
「コチドリ」だけはそれと分かります。
①日本で最小のチドリ・・・スズメよりも少し大きいぐらい。それで、コチドリ。
②ちどりあし・・・酔ってふらふら歩くありさまを「ちどりあし」というのは誠に上手な例えです。なるほど、チドリはしきりに右に左にと振れながら歩きます。ただ、ヨッパライがバランスを取るためにゆらゆらと危なげに揺れるのとちがって、千鳥はエサを探すためにきびきびと忙し気に動きます。ちどりあし=チドリは可哀そう!
③鮮やかな黄色のアイリング・・・短めのクチバシから目の周辺や側頭をカバーして黒い帯が通っており、そこに鮮やかな黄色でくっきりと縁どられた大きな目。なんだか、競輪かなにかの選手のように見えます。最大の特徴でしょう。
④擬傷(キズを負ったふり)をする習性がある・・・ヒナを連れているとき、巣を守ろうとするとき。危険が迫ると親が飛び出し、片翼を傾けて地面を引きずるような仕草をし、巧みに敵を安全なところまで誘導する。身体を張っての子育てがここにもあります。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。