白の明快さ
日本にいるシラサギを大きさの順に並べると、ダイサギ>チュウサギ>コサギ>アマサギということになります。ああそうですか、といった名前の付け方ですね。
ダイサギ、アオサギ、コサギ、それにカワウに集まってもらいます。大きさの案配がだいたい分かると思います。「コサギ」は、クチバシと脚が黒色、短いストッキングを履いたように足指が黄色、あとは全身白色といった明快さです。繁殖期には頭に2本の飾り羽が付きます。全長約60cm、翼長約100㎝。
春先に目立つ
多摩川にアユが遡上することもあって、初夏から秋にかけてはダイサギとアオサギが看板役者で、コサギはおこぼれにあずかるといった調子ですが、春先はコサギたちの天下です。
一人でよし、仲間と一緒でもよし。コサギは、天性、ダイサギやアオサギのようにヌーと佇立して獲物を待ち受けるというよりも、活発に、軽快に、エサを追っている方が多いようです。
食べ物は、小魚、水棲昆虫、エビ、カニ、貝、などですが、獲物を追いかけまわすあまりに互いにぶつかり合ったりして、キャッキャッと声が聞こえそうに楽しそうです。隠れている獲物を追い出そうとするのでしょう。脚をこきざみに震わせているしぐさが良く見られます。
妖精のように 時にはシンクロして
コサギたちが飛翔する様子は、ことに空を背景にすると、妖精の舞のように軽やかに、はかなげに感じられることがあります。時に見事にシンクロナイズして華麗です。ダイサギが群れを組んでゆったりと飛ぶと、ことに群れがいくつか続くと、いざ出撃、といった迫力が漂うのと対照的です。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。