初夏を迎えると、多摩川にも「アユ」の遡上が始まり、それも、今年は45万匹にも達すると推測されているそうです。
アユは水鳥たちにとってもご馳走ですから、この時期には「ダイサギ」「アオサギ」「ウ」「コサギ」たちは躍動します。それに「カラス」たちも、どうにかしてあやかれないものかと躍起になるようです。
「水鳥たちの宴」は、5月中・下旬から6月上旬にかけての早朝に観たもので、季節が進むにつれてアユも成長するのが分かります。けれど、こんなに間引きされてしまって大丈夫なのでしょうか。
役者が全部そろって大宴会になることもありますが、Ⅰ〜Ⅵまでに分け、先ずは「ダイサギ」の様子から、個別に見てみます。
上流へ向かう1群と孤高の1羽
ダイサギは「ウ」のようには大きな群れを作らないようです。身体が大きいだけに飛翔のありさまは悠々と空を渡るようで、ことに逆光で眺めるとなかなかにムードがあります。
ダンス好き
ムードといえば、同じほどの大きさの「アオサギ」に比べて、ダンスが好きなようです。時には、アオサギに見せつけているのかな、からかっているのかな、と思われるほどです。
やるときはやる
アユがまだ小型のうちに限ってできる芸当だとは思いますが、1度流れに首を差し入れて2匹をゲットすることがままあります。電光石火の早業です。効率よく食べて満腹すると、突堤の上で一休みということなのでしょう。夏が近づくにつれて、クチバシが黒に変わってゆきます。
ダイサギだけの集会
アユが遡上する時期を除いては、1羽・2羽で岸辺に辛抱づよく立ち続けてチャンスを待っているか、ウの群れと一緒に行動して、ウに追い立てられた魚がパニックを起こして岸の方に逃げまどってくるのを狙うのが普通のようです。ダイサギだけが集合しているのはあまり見かけないものですが、時に、何を打ち合わせするのやら、自分たちだけで集まっていることがあります。
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。