アカメガシワとカラス

真夏の木の実にカラスの群れ

真夏も8月中旬という猛暑。昼近く、右手の木立が騒がしく動いているようなので見上げると、緑の濃い中にカラスが群がっています。ハシボソガラスですが、何やら旬の好物をあさっているようでした。
カラスと言えば、生ごみの袋を食い散らかすありさまに見るようにふてぶてしさが圧倒的なイメージですが、この樹に取り付いている様子もおしとやかとは言えないようです。ゆさゆさと枝を揺すり、房状に実った黒い実をかき集めてむしり取っているように見えます。


アカメガシワの夏 こんな実が?

幸い、樹の種類は分かりました。
アカメガシワは、「赤芽柏」と書かれる通り、新芽と葉柄が赤くて葉が柏並みに大きいのを特徴とする樹で、崩落した崖地や造成地などに真っ先に芽生えてくるパイオニア植物として有名です。

公園の法面などにもよく繁茂しますが、手が付けられなくなる前に刈り込まれてしまうせいか、背丈くらいの大きさのものにお目に掛ることが多く、そのまま伸ばしたなら10メートルを超えるほどの大木となることを私は忘れておりました。真夏に房状の黒い実を沢山実らせるものであることも、とんと忘れておりました。カラスが思い出させてくれたのです。

はてさて もったげないことを

カラスが傍若無人に振舞っているのを撮っている中に、偶然、他の小鳥が写り込んでいるシーンがあることに後で気付きました。とりあえずメジロとガビチョウでした。

それで調べてみて驚いたのですが、アカメガシワの実は、メジロ、キツツキなどを始め、キビタキやオオルリなども好んで訪れるものなのだそうです。
で、猛暑の中を3日ばかり通ってみたのですが、カラスに荒らされた房状の花殻が崩れたようになって目立つばかりで、野鳥にはお目に掛れませんでした。
極く近場のスポットとして、来年こそはマークします。

投稿者: ロウボウ

長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。 身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です