戦後ほぼ一貫して育まれ続けた社会通念と構造。これが多分、誰もが予想しなかったような速度で変遷した。1980年代の終わり頃からであるという。
その原因を乱暴に要約すれば、1970年代に中国で台頭した鄧小平という剛腕政治家が「黒猫でも白猫でもネズミを獲るのが良い猫」と言い放って、共産党独裁の体制のままに、経済については資本主義の手法を取り入れたことにあるだろう。中国は世界中からの投資を活かして、急速に「世界の工場」となった。その頃から決定的になったのは「IT技術の爆発的な発展普及」と「新興国の台頭」である。ITの発達によってもたらされる情報をてんでんに拾うようになったことで人々の価値観と欲望は多様化し、消費をするにあたっては、情報がピンポイントで得られるようになっただけに、何をどのように選択するのが賢いか、というパフォーマンスへの評価が次第にマニアックに厳しくなってゆく。
1 終身雇用制の瓦解がもたらしたもの
2 目標とされる成人像の変化
3 揺れる学校生活
4 まとめ
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。