多摩川のススキの群生
冬の東京近辺は、北陸地方に住んでいる人たちには申し訳ないと思われるばかりに、天候に恵まれます。この年も正月を挟んで小春日和が続きました。
多摩川中流の、とある堰を乗り越えて落ちる流れの中で、3羽のカワウと数羽のセキレイが、贅沢な光のきらめきを楽しんでいるのを見掛けました。
カワウたちがのっそりと日向ぼっこをしているのと対照的に、どんな餌を探しているのやら、リズミカルにステップを踏み続けているのはキセキレイです。
周囲の河原一面に広がっている尾花の連なりは、ススキのものです。
本来、ススキは乾いたところを好んで、株ごとに根を縦に張るので、茎は株立ちになって中心から周囲に広がるように伸びるのですが・・・画面を見るかぎり、多くの茎が互いに垂直に立ち上がっているので、「オギ(荻)じゃないの?」と疑いたくなるほどです・・・。
けれど、この群生は間違いなくススキなのです。
ススキは刈り取りに強く、刈れば刈るほど増えるといった特性を備えていますから、思えば、まとまった雨が降るごとに状況が一変する河原こそが、ススキのしぶとさが発揮される舞台であるのでしょう。
目の前のススキの茎たちが垂直に伸び立っているということは、先年の夏から冬にかけては、河原の土や石がごっそり持って行かれるというような大雨が無かったからだとして良さそうです。 “重さ比べ エナガ・メジロ・シジュウカラ” の続きを読む
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。