当該青年の半生の軌跡の概略をたどって図にまとめてみたい。カルテに依らなくても、世に出回っている情報から辿ることのできる経過であるが、不運と悲しみにも彩られたものであると筆者には印象される。
中央に縦に太い点線を引き下ろし、これを時間の経過とし、彼の0歳から33歳までの目盛りを付ける。
点線の左右を彼が生活してきた場とする。左側半分は「通常の世界」。右側半分を「異常な世界(彼はしばしば黒い羊の世界、あるいは異端・以外の世界と呼ぶ)」とする。左右のどちら側にどれほど踏み込んで辿ったかという曲線の位置は、数値などで割り出したものではなく、筆者の主観によるものである。 “神戸連続児童殺傷事件 Ⅱ 「登頂寸前からの滑落」” の続きを読む
長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。
身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。