この国の行方 分岐点までのタイムリミット7~9年 Ⅲ AIのシミュレーションが示すシナリオ

AIのシミュレーションが示すシナリオ 

 2018年の暮れから正月に亘った朝日新聞の特集でもっとも刺激になったのは、「AIで予測した2050年」として、京都大学と日立製作所(日立京大ラボ)が人工知能(AI)を使って35年後の未来を可視化したグラフィックであった。
 少子化や環境破壊といった149の社会要因を選び、互いの因果関係をAIに与え、将来の全ての可能性を割り出させたところ、およそ2万通りのシナリオが現われたという。 いずれのシナリオも7〜9年というタイムリミットで大きな分かれ道に到達する。ここを「都市集中型」に向かうか「地方分散型」へ向かうか。都市集中型に進めば、地方は廃れて無人の地域が増え、人口は減り続ける。地方分散型へ向かえば、出生率や格差が改善され、幸福度も高い社会への道は残される。この運命の分岐点を過ぎると、もう一方の道に戻ることはできないという。
 この分岐点で「地方分散型」に進めたにしても、人が地方に移っただけでは財政や雇用に困難を生ずる恐れがある。「持続可能なシナリオ」に至るには、地域の特色を生かした物作りと消費と文化、エネルギー自給、交通の利便、都市とのバランス、といった課題をクリアできるように「生き方を変える」必要があるが、このために許されたタイムリミットは、2019年から数えて16〜19年後であるという。
 
 運命の分岐点は先ず7〜9年後に迫っているというのは、怖ろしいことであるが間違いなさそうである。船はまっすぐに岩礁に向いつつあるというのに、人々が他人事のように平然としているのが筆者には不思議でならない。

ロウボウ

投稿者: ロウボウ

長い間たずさわってきた少年矯正の仕事を退官し、また、かなりの時が経ちました。夕焼けを眺めるたびに、あと何度見られるだろうと思うこの頃。 身近な生き物たちとヒトへの想いと観察を綴りたいと思います。

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