憧れの「ツミ」

日本で一番小さい猛禽類

ようやく、出会いました。
初夏の林の中。左手から飛来して、少し離れた枝に止まった鳥の影。
キジバトかと思いましたが、身体を斜めに倒して止まることの多いキジバトと違って、太目の身体をまっすぐに立ててこちらを見ています。

「ツミ!」
日本で一番小型の猛禽類。
画像の1枚だけを見ると、達磨さんのようにどっしりと大きく感じられますが・・・小柄なのです。
スズメのように小さい鷹ということで、漢字では昔から「雀鷹」と書かれ、スズメタカというのがススミタカに、次第に短く詰まって、ススミ、スミなどとなり、何時の頃からか「ツミ」となったということです。

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蜜を採る? 盗る?


目次

1 ホウジャクの花めぐり 
2 蜜泥棒?
3 キアゲハの花めぐり 蝶たちは盗蜜者?
4 その他のチョウの花めぐり 盗蜜?
5 クマバチの花めぐり 盗蜜?
6 植物はそんなに間抜け?
7 華麗な蜜泥棒 ホウジャク
8 この大絶滅時代を

1 ホウジャクの花めぐり

また「ホシホウジャク(星蜂雀)」の登場です。
止まっている時(翅を休めているのを見かけることは滅多にないのですが)は、ありきたりの蛾としか言いようがなく、不気味に迷彩されたデルタ翼の戦闘機のようにずんぐりと不機嫌そうに見えます。その通り、ホウジャクは蛾の一種なのでした。

これが一転、蜜を求めて巡るとなると!
「公園の生垣でハチドリを見た」と騒がれることがあるように、見事なホバリングとホバリングを折れ線のように組み合わせて、腰の黄色のマークを目立たせながら、あたりの蜜を独り占めしたいとばかりに弾むように舞います。初めてホウジャクに気付いた人が、「ハチドリ?」と思ってしまうのも無理はありません。
秋口になって、アベリア、ヘクソカズラ、カクトラノオといった野花が咲き揃うようになると、ラッパ型をした花の奥に分泌されている蜜を吸い上げようとホウジャクたちは夢中になります。

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